今週の読了帳(02・12~02・21)

突然だが、『煙滅』(ジョルジュ・ペレック)が気になる。

なぜ気になるかといえば、このフランス人の作者はフランス語に必要不可欠な母音Eを一度も使っておらず、
翻訳者はそれに応えて、「い段」(=いきしちにひみりゐ)を一切用いずに全訳したからだ。
もうここまで何度「い段」を使ったことか。

『日本語が亡びるとき―英語の世紀の中で』(水村美苗)並みに気になる。


<今週の購入本>
・『プロ野球スカウティングレポート』(小関順二)


<今週の読了本>
・『永遠の0』(百田尚樹)
評価:☆☆☆☆☆

太平洋戦争末期に戦死した凄腕のゼロ戦パイロットの祖父。
足跡を追う孫たちは、そんな祖父が仲間内から「臆病者」呼ばわりされていたことを知る。
「生きて帰る」を公言して憚らなかった祖父は、なぜ死んだのか。
かつての戦友に話を聞いて回るうちに辿り着いた衝撃的な結末とは―――。


史実と事実が必ずしも一致しないように、
この本で描かれる戦争に纏わる様々な「事実」を全て信用するわけにはいかないが、
戦争の悲惨さの一端を描き切った傑作であることは間違いない。

真珠湾で、ミッドウェーで、ラバウルで、そして、ガダルカナルで儚く散った多くの生命を思うにつけ、
戦争の究極的な悪は、人一人の命が権力者の面子や体裁を取り繕うためだけの「手段」に成り下がること、
つまり、戦闘そのものとは異なる次元で絶望的なほどに軽んじられることにあるのだなという、
そのあまりにも当たり前すぎる結論に達して、無性に涙が止まらなかった。

日本人なら知っておくべき、肝に銘じておくべきことが満載な一冊。


<ただいま読書中>
・『狼たちの月』(フリオ・リャマサーレス)
・『Top of The World』
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by worthy42 | 2010-02-21 20:30 | 一冊入魂(読書記録)
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