今週の読了帳(03・08~03・14)

今週の注目の一冊は『煙の樹』(デニス・ジョンソン)。
泥沼化するベトナム戦争に従事する人々の生き様を綴った巨大長編(約600ページ)。

探していた『高慢と偏見とゾンビ』が見つからなかったので、友人に借りたのだが、
曰く、「笑撃的」で「購入してもらうのが悪いくらい」らしいので、その奇想天外さがとても楽しみ。


<今週の読了本>
・『贄の夜会(上・下)』(香納諒一)
評価:☆☆☆☆☆

「犯罪被害者の会」に参加した女性2人が惨殺される。
20年前の14歳のときに同級生を殺害し、首を学校の門に晒した当時の猟奇殺人犯が
この会の弁護士として活動していることが明るみになり、疑いの目はその弁護士に。
事件を追う心に傷を追った刑事とサイコ犯に、さらに、暴力団と凄腕スナイパーが関わってきて・・・。


サイコミステリとしては真っ当な筋立てながら、猟奇さ・面白さは抜群。
「人間の再生」を一貫したテーマに掲げ、犯罪者、被害者の遺族だけでなく、
刑事までもが不条理の果ての苦しみに否応なく直面し、絶望する。

無限地獄のような心の空虚と痛みをどう乗り越えていけばいいのか、
その解答を希望と悪夢の極端な例を以って提示した傑作。

久々に満足させる王道サイコミステリに出会った。


<ただいま読書中>
・『カタコンベの復讐者』(P.J. ランベール)
・『自民崩壊の300日』(読売新聞社)
・『Top of The World』
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by worthy42 | 2010-03-14 18:26 | 一冊入魂(読書記録)
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