今週の読了帳(03・15~03・21)

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元々は膨大な翻訳のために空けていたのだが、若干スケジュールが楽になったので、
カフェに籠って仕事と課題と読書の繰り返しの連休。
今日は英検の勉強や文法を見直すために文法書にも目を通さねば。


先週、注目の1冊に挙げた『煙の樹』の原書"Tree of Smoke" を洋書セールで発見。
値段が翻訳版の3分の1だったので迷わず購入。
ちらりと読み始めたが、冒頭の一文が何やらその後の展開を期待させる。

"Last Night at 3:00 a.m. President Kennedy had been killed."

ほんとうは、David Halberstam の "The Coldest Winter" を探していたのだが、
それより、ずーと停滞している Cormac McCarthy の"The Road"を読まなければ。


<今週の読了本>
・『包帯クラブ』(天童新太)
評価:☆☆☆

とある町に住む少年少女たちは、傷ついた自分たちのために、
悲しい思い出の場所に行って傷口を塞ぐように白い包帯を巻くことにした。
その動きはインターネットを介して広がり、地元の人からも依頼が舞い込むようになり・・・


来週参加予定の読書会のテーマ本にして、『悼む人』の著者が、
「どんな傷も公平に扱う点で『悼む人』の姉妹編です」と帯に記した一冊。

人間の心がいかに繊細なものなのかということに加えて、
その繊細さゆえに、完璧に傷を治してくれることよりも、むしろ、
自分が傷ついたことを誰かが知ってくれさえすれば、
それで救われることもあるのだな、ということを改めて教えてくれる。

悲しみの源泉となる場所に包帯を巻くことで
心に傷を持った人すべてが辛い思いから解放されるわけではもちろんないが、
万人が抱く様々な心の痛みに対してどう共感して、それを伝えていくのか、
という普遍的なテーマに一石を投じる、淡い再生の物語。


・『カタコンベの復讐者』(P.J.ランベール)
評価:☆☆☆☆

パリのカタコンベで見つかった男女の首なし白骨死体。
女性警部アメリーと敏腕ジャーナリストダヴィドは協力して犯人像に迫るうちに、
数年前にフランス中で物議をかもした、あの事件の容疑者の影がちらつく・・・。


たまに思い出すかのようにハマってしまうハヤカワ・ポケット・ミステリ。
よくよく考えれば私的ベスト10に入るような傑作にはあまり出会わないのだが、
このホンヤクホンヤクした描写世界の展開がクセになる。

で、なんというか、復讐が絡んだ複数の猟奇連続殺人がテーマで、
性犯罪の前科者のリストがネットで公開され、該当者が一般市民に暴行されたり、
婦女暴行殺人犯が事件当時に心神喪失と不当に判断されるたりするなど、
現実的で議論を巻き起こしかねない、非常に重大な内容にもかかわらず、
アメリーとダヴィドの恋愛もあって、展開される物語は、とこどなく甘~い。

血と死が支配している空間で、シャンパンの香りが漂ってきそうな気だるい甘美さ。
この辺がフランスぽい優雅な洒脱さ、か。


・『Top of The World』(Peter May)
評価:☆☆☆☆☆

2007-08シーズンを制したボストン・セルティックスの1年を追ったノンフィクション。
K.ガーネット、R.アレンの加入により一躍シンデレラチームとして脚光を浴びた
かつての名門チームの奮闘ぶりが、主要選手に焦点を当てて時系列に綴られている。

230ページ強の作品ながら予想以上に早く読み終えたのは、
四半世紀NBAを見続けてきた故に蓄積された知識が貢献してくれたのは勿論あるが
それ以上に英語が流れるようにきれいだったから。

日頃、難解なテーマの微妙に崩れた(おかしな)英語を読んでいると、
文法が一目瞭然で(新聞的)で、すっきりした論理的で簡潔な文章に触れるとホッとする。
"The Road" が遅々として進まないのは、技巧に凝った表現が多い文章は
辞書もなく一読しただけでは読み進めにくいからなのだと改めて思った。

所々あった意味をつかめない単語は読み飛ばしてしまったので、
今後はそういった単語を精査に調べていかなければ。

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邦題『煙の樹』。600強ページにもなるこの分厚さ。じっくりやるとします。

<ただいま読書中>
・『自民崩壊の300日』(読売新聞社)
・『高慢と偏見とゾンビ』(ジェイン・オースティン、セス・グレアム=スミス)
・『ユダヤ警官同盟(上)』(マイケル・シェイボン)
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by worthy42 | 2010-03-22 11:12 | 一冊入魂(読書記録)
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