各カードの分析に入る前に、このカンファレンスのレベルの高さだけには触れておきたい。
1位のロサンゼルスから8位のオクラホマまで全チームが50勝以上(勝率6割以上)。 つまり、イースト4位のボストンは、このカンファレンスではギリギリの8位に 滑り込めるのか否か、のレベルなのだ。 それだけ高水準の8チームによる戦いなのだから、下位のチームが勝ったとしても、 それをアップセット(波乱)と表していいのかどうか躊躇われる。 ①ロサンゼルス・レイカーズ(57勝25敗)VS⑧オクラホマシティ・サンダース(50勝32敗) 両カンファレンスを通じて、私的には最も楽しみなカード。 2連覇を目指す昨季のチャンピオンに、今季大躍進を遂げた新興ヤングチームが挑む。 最後の一月半を12勝10敗と低迷したレイカーズの不安材料は怪我だけ。 指を痛めていたK.ブライアントはどうやら復活したようだが、 センターのA.バイナムには疑問符がついたまま。 一方、3年目ながら早くも得点王に輝き、大スターへと変貌を遂げつつあるK.デュラントら 将来有望な若手揃いのオクラホマシティは輝かしい未来への第一歩となる。 その試金石となる最初の相手が昨季の王者というのも、 後々重要な意味を持つことになるのかもしれない。 いずれにせよ、選手もコーチも、経験値では王者の足元にも及ばないのは確かなので、 シーズン同様、オクラホマは猪突猛進、若さゆえの勢いで胸を借りるだけだ。 それでもロサンゼルスを苦しめることができるのではないか、 そんな期待が胸に広がりつつある。 予想:ロサンゼルスの4勝3敗 ②ダラス・マーべリックス(55勝27敗)VS⑦サンアントニオ・スパーズ(50勝32敗) 従来であれば、カンファレンスファイナルで対戦してもおかしくない好カードが、 もったいないことに、今季はなんとファーストラウンドで。 ダラスは久々のファイナル進出に向け、絶好の位置(2位)につけた。 S.マリオン、C.バトラー、B.ヘイウッドらの加入は大成功とまでは言い難いが、 ある程度の功を奏したよう。D.ノヴィツキーは今季もMVP候補の一人に上がる活躍。 一方、サンアントニオは終盤にM.ジノビリがスパーク。3月末から4月にかけて、 クリーブランド、オーランド、ボストン、ロサンゼルスら強豪チームに4連勝した際に、 平均30得点以上を記録するなど絶好調。T.パーカーは怪我から回復したようだが、 今季台頭したG.ヒルも怪我に倒れた。彼の怪我の具合だけが気になるところ。 今季の直接対決はダラスの3勝1敗だが、あまり当てにはならない。 ただ、パーカーとヒルの怪我からの回復具合によっては若干ダラスが有利か。 いずれにせよ、第7戦までもつれそうな激戦必至の好カード。 予想:ダラスの4勝3敗 ③フェニックス・サンズVS⑥ポートランド・トレイルブレイザーズ 2シーズンぶりにRun & Gun スタイルに戻したフェニックスはかつての強さを取り戻した。 PGのS.ナッシュは36歳にしてなお超一流の選手であることを再証明、 トレードが騒がれたA.スタウドマイヤーもNBA 1st Team 並の活躍を見せた。 ポートランドはなんとか踏ん張って7位でプレイオフ進出を決めたが、 エース、B.ロイは故障→手術でプレイオフ出場が危ぶまれている。 両チームの直接対決はポートランドの2勝1敗だが、ロイの欠場が確定すれば、 シリーズの行方はフェニックスに大きく傾きそう。 フェニックスの攻撃一辺倒スタイルはプレイオフには不向きだとされるが、 手負いのポートランドだとそれほど苦労しないかもしれない。 ただ、フェニックスが3月以降、17勝4敗でシーズンを終えたのに対し、 ポートランドも15勝5敗と上り調子であることは変わらず。もつれる可能性もある。 となると、ホームコートアドバンテージがものをいいそう。 予想:フェニックスの4勝2敗 ④デンバー・ナゲッツ(53勝29敗)VS⑤ユタ・ジャズ(53勝29敗) ずっと2~3位を保ってきたデンバーは終盤やや失速して5位で全日程を終えたが、 ユタが最終戦で躓いたために4位に入って、なんとかホームコートアドバンテージを確保。 一方、3位のチャンスがあったユタだが最終戦でフェニックスの前に完敗を喫し、 喉から手が出るほど欲しかったホームコートアドバンテージを逃してしまった。 C.ビルアップス対D.ウィリアムズという新旧PG対決。 ビルアップスは去年のプレイオフで若手No.1のC.ポールに完勝したが、 ポールのライバルと評されるウィリアムズはどうか。 デンバーが抱える不安の種は、故障上がりのK.マーティンの回復ぶりと、 癌の治療を受けるためベンチに入ることができないヘッドコーチ、G.カールの不在。 この経験豊富なコーチ抜きで過酷なプレイオフを戦えるのか? カールの不在の影響は決して小さくないので、本来ならばユタを推したいところだが、 ホームで圧倒的な強さを誇るデンバー(34勝7敗)にホームコートアドバンテージを 奪われてしまったので、ロードが苦手な(21勝20敗)のユタの苦戦は免れない。 さらに、絶対的なエース、C.アンソニーを擁するデンバーの優位は揺るがない。 予想:デンバーの4勝2敗
by worthy42
| 2010-04-18 00:05
| バスキチ(NBA)
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