ボストンとロサンゼルスの因縁関係はこちら
一昨季の王者ボストンが昨季の王者ロサンゼルスに挑む、 「巨人対阪神」、「バルセロナVSレアル・マドリッド」のような 常勝・名門チーム同士の2年ぶりの再戦。 2年前は、シーズン戦績一位でホームコートアドバンテージを持っていたボストンが、 20点差以上を巻き返すNBAファイナル史上に残る大逆転劇(第4戦)もあり、4勝2敗で完勝。 今季はホームコートアドバンテージを持っているのは、ロサンゼルス。 シーズン中、ややもたつく時期もあったが、しっかりと帳尻を合わせて西地区一位。 コービが老獪さを身に付けたせいもあってか、以前よりも手堅く、勝負強い感がある。 一方、ケガ人続出でシーズンを東地区4位と低迷し、期待値の低かったボストンは まさかまさかのファイナル進出。ヘッドコーチ、リバースの怪我がちな主力を休ませる作戦が奏功、 十分な健康体でプレイオフに臨んだ面々はシーズン1位と2位のクリーブランド、オーランドに完勝。 基本的には、コアメンバーは2年前とは変わらないが、 既存選手の成長や新しい選手の加入もあって、互いに戦力は上がっていると見る。 <PG> D.ロンド(Bos) VS D.フィッシャー(Los) 今やBig 3 よりも重要視されている、ボストンの新しい顔ロンドと 酸いも甘いも噛み分けた大ベテラン、フィッシャーのマッチアップ。 自らと同じ若手、中堅クラスの選手とのマッチアップが多かったロンドにとって、 経験豊富でチャンピオンリングを複数持つディフェンス上手のフィッシャーとの対戦は さほど簡単なものではないはず。 ロンドはセルティックスのエネルギー源なだけに、 フィッシャーの手に負えない場合は、コービやロンロンもマッチアップだろう。 2年前の優勝時は、ロンドは今ほど活躍をしていなかっただけに、 ボストンとしては、戦力が格段にアップしたこのポジションで後れをとれば、 勝ち目はゼロと言っていい。 <SG> R.アレン(Bos) VS K.ブライアント(Los) 衰えの見えないアレンと、NBAの顔、コービ。 前回対戦時、コービをマークしたのはアレンとピアースだが、 2年前と同じくチームでコービを封じようとするはず。 「NBAでプレイして以来、最も激しいディフェンスだった」とコービに脱帽させたディフェンスだが、 今のコービの出来を考慮すれば、ある程度得点を取られるのは覚悟したほうがいい。 レイカーズはむしろ、アレンの得点をいかに抑えるかがカギになる。 アレンが18点以上得点を上げた試合は、ボストンはほとんどの試合で勝利を収めているので、 アレンを調子に乗せないことが必要になってくる。 <SF> P.ピアース(Bos) VS R.アーテスト(Los) 2年前にはいなかったのが、リーグ屈指のハード系ディフェンダー、アーテスト。 えげつないディフェンスに、上り調子のピアースがどう挑むか。 今季のレイカーズの最大の上積みがこの武闘派ディフェンダー。 前回の対戦時に縦横無尽な活躍を許してMVPを献上したピアースを抑えられなければ、 必然的に勝機は遠のく。 逆に、カンファレンス・セミファイナルではレブロンを抑えるのに汲々としていたピアースは、 ディフェンスの不得手なカーターとのマッチアップが多かったオーランドとのシリーズで復調。 完全にシュートタッチを取り戻したので、このままの勢いで得点を量産したいところ。 <PF> K.ガーネット(Bos) VS P.ガソール(Los) 前回優勝時の立役者ながら長引く故障もあって2年前ほどの迫力に欠くガーネットに、 レイカーズの2番目の得点源、スペイン代表キャプテンとのマッチアップ。 ともに似たタイプだが、今プレイオフを見るに、 オフェンスではガソールに、ディフェンスではガーネットに一日の長がありそう。 ガソールは昨季のファイナルのようにハワードのような単細胞系ポストプレーヤーへの 対処の仕方は巧いが、KGのようなタイプだと苦戦する。 一方のガーネットも、対クリーブランドでは攻守ともに冴えを見せたが、 オーランドとのシリーズではディフェンスに神経を使いすぎたせいかオフェンスが停滞。 昨季は怪我でプレイオフを全休し、早期敗退の責任を負ったKGだけに気合は十分だろうが、 ボストンのディフェンスを一手に背負っているのはこの男なので、 まずは堅実なディフェンスから試合に入っていきたいところ。 <C> K.パーキンス(Bos) VS A.バイナム(Los) 堅実なディフェンスが売りのパーキンスに、2年前は怪我で出場できなかったバイナムとの対戦。 「前回プレイできれば優勝はレイカーズだった」とも言われたバイナムの本領発揮が期待されるが、 今回も相変わらず怪我に悩まされており、100%本調子とはいかない。 一方、パーキンスもオーランドのハワードとのマッチアップでイライラからファウルを連発し退場。 いくらハワードほどの脅威ではないバイナムとはいえ、 肉体派センターは彼一人なので、もう少し賢明なプレイを見せたいところ。 <控え> R.ウォーレス、T.アレン、G.デービス、N.ロビンソン、M.フィンリー、M.ダニエルズ(Bos) L.オドム、J.ファーマー、S.ブジャビッチ、S.ブラウン(Los) この部門は圧倒的にボストン有利。オドムしか計算できないレイカーズに対し、 ウォーレス、T.アレン、デービスの3人は毎試合、ある程度は活躍できるし、 爆発力のあるロビンソン、ベテランのスイングマン、フィンリーとダニエルズも控える。 フェニックスの控え選手の攻撃に圧倒されたレイカーズだが、 ボストンの控えはディフェンス力が身上。 ガソール、コービをマークするであろうウォーレス、T.アレンがどこまで奮闘するか。 <予想> ボストンは、優勝した2年前と今季のカンファレンスファイナルまでの2年間で、 これまでのところ、スタメン5人が全員出場したプレイオフシリーズは全勝。 今回はホームコートアドバンテージがないが、 今プレイオフ、ロード戦績は5勝3敗で、プレイオフ出場チームNo.1。 一方、レイカーズはここまでホームでは8戦全勝の負けなし。 さらに、レイカーズのコーチ、フィル・ジャクソンの、シカゴ時代から10年以上も続く、 「シリーズの初戦を制すれば、そのシリーズを制する確率100%」という偉大な伝説を考慮すれば、 今回のファイナルの命運を左右するのは、ロサンゼルスで開幕する第1戦。 ロサンゼルスは、プレイオフで、オクラホマ、ユタ、フェニックスと、 攻撃型のチームとの対戦が続いたので、リーグNo.1 のセルティックスの守備には手を焼くはず。 ましてや、休養明けの初戦ともなればなおさら。 さらに、ボストンはレブロンという絶対的な得点源を擁するチームを攻略した実績に加え、 リーグNo. 1センター、ハワードを手玉に取った。 この二人をコービとガソールと仮定すれば、ボストンにはある程度の対策が講じられているはず。 となると、初戦の勝機はボストンにあるとみる。 とはいえ、第7戦をアウェイで迎えるチームが優勝するのは至難の技。 したがって、ホームコードアドバンテージのないボストンが栄冠を勝ち取るには、 オーランド戦のように先手先手で勝利をもぎ取って、 ホームで確実に勝ち星を積み上げていくしかない。 2年前よりも層の厚さと団結力が増したメンバーにはその実力があるし、 「挑戦者」として挑む限り、今の充実したボストンの方が王者に相応しい。 予想:ボストンの4勝1敗
by worthy42
| 2010-06-02 00:29
| バスキチ(NBA)
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