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Upset of the Century? ---No Doubt!

世紀の大波乱

NBAプレイオフ・ファーストラウンド、イーストはすべてが順当過ぎるほど順当だったが(そのうち2カードはスイープだった)、ウェストはまさかまさかの展開になった。

勝率リーグダントツ一位(67勝15敗)のトップシードにして昨季のファイナリスト・ダラスがレギュラーシーズン最終日にプレイオフに滑り込んだ第8シードのゴールデンステイト(42勝40敗、それも14年ぶりのプレイオフ出場)に2勝4敗で完敗。

NBA.COMのオフィシャルページでは”NBA史上もっとも予想外のアップセット(波乱)”だと書かれている。(Warriors Upset Mavs

それもそのはず、長いNBAの歴史のなかで第8シードがトップシードを負かすのは今回でわずか3度目にして、さらにファーストラウンドが波乱のおきにくい現行の4戦先勝方式になってからは初めての”大物食い”だからだ。

おまけにダラスといえば、昨年、ファイナルでマイアミに逆転で屈したが、その悔しさをばねにシーズン序盤から独走、エースのドイツ人、ノヴィツキーはMVPをほぼ手中に収めている。

対照的にゴールデンステイトといえば、ドアマットチーム(踏み倒され続ける”負け犬チーム”の意)の代表格のチームのひとつ。久しぶりにプレイオフへと駒を進めたが、戦前からダラスの圧倒的優位を疑うものはほとんどいなかったに違いない。

それが・・・、ホームでの第6戦、ゴールデンステイトは25点差もの大差でダラスを破り、おまけにチームの大黒柱、B.デイビスがお役御免とベンチに下がるときには”MVP!MVP!”コールが観衆から止まなかったとか。

次戦は1回戦屈指の好カードを4勝3敗で勝ち抜いた第5シードのユタ。ダラスとは違ってゲームをクリエイトできるポイントガードもいれば、インサイドでゴリゴリ得点を獲れる武道派のフォワードやスリーポイントシュートを得意にしているセンターもいる非常にバランスの取れたチーム。

苦戦は免れないと思うが、アップセットは予測不可能な勢いを生む。

過去の第8シードのアップセットチーム、93年に第1シードのシアトルを最終戦に敵地で撃破したデンバーは、カンファレンスセミファイナルでユタに3勝4敗と敗退したものの大量の冷や汗をかかせ、99年に宿敵マイアミを最終戦に1点差で破ったニューヨークに至っては、あれよあれよという間に次々と強敵を打ち破り、ファイナルに進出。準優勝に終わったものの、スプリューエルとダンカンによるスコア合戦は、私にとっては近年稀に見る”魔法のような時間”だった。

ウェストのもう一方の準決勝、フェニックス対サンアントニオ(今季のレギュラーシーズン2位対3位)は事実上のNBAファイナルといわれており、第7戦までもつれる激戦(消耗戦)となることは必死。ユタの壁さえ乗り越えれば、ゴールデンステイトには意外と道が開けるかもしれない、なんて淡い(甘い)期待もかけたくならないではない。

14年ぶりの”春”がどこまで続くのか、アップセットチームの意地を見てみたい。
by Worthy42 | 2007-05-07 02:14 | バスキチ(NBA)
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