雨の掟

バリー・アイスラーの人気シリーズ第4弾。

主人公の日米ハーフの殺し屋がイスラエルから依頼された仕事をミスってしまい、
挙句に各方面から命を狙われる羽目に陥ってしまうというストーリー。

このシリーズの持ち味は、なんといっても元CIA勤務の作家が書いた作品なので、
主人公が取る行動ひとつひとつ(連絡手段や情報入手方法等)が
あまりにリアルで感心させられてしまう。

今回は自分以外の人間をまったく信用しない主人公と、
前作でたまたま行動を共にするようになった
軽口スナイパーとの信頼が相棒となるまで深まったために、
絶妙のコンビが冴え渡って抜群に面白い。

前作は主人公の”独白”シーンがかなり多くて辟易したが
今回は軽妙かつ下品な会話が目白押しで
主人公の人間臭さや悩みの深さが前面に出されて
今までのシリーズのなかでもっとも身近な存在に感じられた。

個人的にはこのお喋りで軽薄だがやるときゃやるスナイパーが好きで
寡黙で哲学者然とした主人公との対比も鮮やかで見事だと思う。

1作目から映像をイメージさせるほど
映画化を念頭に置いて作られている気がしているのだけれど
リアルでプロフェッショナルな殺し屋像が緻密に描かれているので
当然のごとく目立つような”衝突”のシーンが少なく、
盛り上がりどころに欠けるのではという危惧もないではない。(もちろん、観るけどね)

著者のHPを確認したところ、
このシリーズはすでに第6弾まで(原書で)刊行済みとのこと。
早く続編を読んでみたい。

それにしても、こんな殺し屋に命を狙われたら生き延びるのは難しいだろうな。

Barry Eisler のHP(ちなみに大の親日家。日本語ページも有り)

雨の掟 (ヴィレッジブックス F ア 1-4)
バリー・アイスラー / / ヴィレッジブックス
ISBN : 478973160X
評価:AA
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by Worthy42 | 2007-09-26 20:54 | 一冊入魂(読書記録)
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