今週の読了帳(03・10~03・16)

買うつもりがなかった本を買わせるのが本屋の腕の見せ所なわけで。
前に書いた心斎橋アセンスで『翻訳文学ブックカフェ』(新本良一)を買ってしまった。

『ルインズ 廃墟の奥へ』も買おうかどうか悩んでいたのだが、
とりあえず著者の前作、『シンプル・プラン』を購入。
この出来を見て買うのかどうか決めようと。

愛読作家、馳星周の新作二つ、『弥勒世(上・下)』、『約束の地で』を
未だ読んでいないことに後ろめたさを感じつつ、
今もっとも注目している作家は女性2人。
須賀敦子(故人)と佐藤亜紀。

で、さっそく須賀敦子の『ヴェネツィアの宿』を購入。
誰かの書評でも絶賛してあったな、たしか。

佐藤亜紀はスケールの大きさでは至るところで賞賛されているものの、
如何せん、文庫化されている作品が少ないのか(?)、
なかなか近所の書店では見ないんだな。


・『ラジオ・キラー』(セバスチャン・フィツェック )
評価:AA-

ラジオ局のスタジオで人質を盾に占拠した知能犯。
娘を自殺で失って絶望し自らも自殺しようとする女交渉人。

「事故死した婚約者を連れてこい」という不可解な要求を突きつける犯人。
ドイツ中が固唾を飲んでラジオを聞き入るなか、
公共電波上の2人の交渉は進んでいくが・・・。

やや中だるみはあるものの、
ノンストップ・スリラーという惹句はダテではなく、
一気に読み進めざるを得ないスピード感はホンモノ。

これでもか、これでもか、というほど
伏線を張りに張り、シナリオを練りに練ったなという感は否めないが、
作品の面白さを損なうものではない。

ドイツに1年間も暮らしていながら
ドイツ人の作品を読了したのはこれが初めて。


・『背の眼』(道尾秀介)
評価:AA-

第5回ホラーサスペンス大賞特別賞受賞作。

先日深夜、真っ暗な浴室にキャンドルを灯して読んでたら
急に怖くなってしまった、という作品。

怖さ、という点では、昔ボンにいる頃に読んだ、
岩井志麻子の『ぼっけえ、きょうてえ』(1999年日本ホラー大賞受賞作)の方が上だが、
こっちの方が好きだな。まだ荒い気もするけど。

とある村に伝わる天狗伝説と未解決の連続児童失踪事件。
その村で得体の知れない不気味な声に遭遇したホラー作家は
友人の霊現象研究家とともに調査に乗り出すが、
血塗られた歴史が浮かび上がってきて・・・。

霊現象と正面から向かい合おうとする作者の姿勢が好感が持てる。
文章力は悪くないし、なかなかおどろおどろしくて読ませるな。

あれもこれも詰め込みすぎていて少し食傷気味に陥った感もあるけれど、
別の作品を読んでみようと思わせるだけの筆力は確かにある。

できればこのメンツで続編―――他の霊現象をテーマに、読んでみたいけどね。

個人的には、心霊写真や自殺の解釈はとても興味深かった。
二時間ドラマとしては格好の作品だと思う。

<Now on Reading>
・『オリンピア ナチスの森で』(沢木耕太郎)
・『クライム・マシン』(ジャック・リッチー)
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by Worthy42 | 2008-03-16 20:08 | 一冊入魂(読書記録)
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