Game 1

Boston 98-88 Los Angeles

ボストンファンとしては非常にドラマチックで爽快な勝ち方でしょう。

チームの顔でエースのピアースが後半すぐに膝を抱えて倒れ、
抱きかかえられるようにしてロッカールームに運ばれた時には
重症さが窺えたことから、その試合だけではなく、
極論すればシリーズの大勢が決した感もありました。

が、その後、ピアースが膝にサポーターを巻いて舞い戻り、
観客が彼をスタンディングオベーションで迎えた時には、
ロサンゼルスに傾きかけていた流れは完全にボストンのものになりました。

おまけに当のピアースが、膠着した試合展開を打破する
スリーポイントを連続して2本沈めた段階に至っては、
試合の趨勢は不動のものになっていました。

が。

冷静に分析すると、この初戦は双方ともにミス連発で、
ファイナルには相応しくない酷い凡戦でした。

たいていはどちらかが悪くても
勝者はそれなりの出来で勝利を呼び寄せるんですが、
この試合の大半はともに無残な出来でした。

ボストンはポイントガードの若手のロンドのゲームメイクが不得手なせいで
試合のリズムが作れず、ほとんどの時間、安定性を欠きました。

肝心のガーネットはゲームトップの24点を稼ぎましたが、
後半はほとんどのシュートをはずしてしまうという体たらく。
外からのシュートの弾道がいつもより低かったので
調子が悪いというよりは疲労から来るものでしょうが。

極めつけは控えのベテランPG、キャセール。
ボストンで唯一、チャンピオンズリングを持っているこの宇宙人は、
自分がボールを運び自分がシュートを打たないと気が済まないタイプで、
この日もベンチから出てきては無謀に打ちまくっては外しまくるの繰り返しで、
そのあまりのKYぶりに、見ていて怒りを超えて爆笑してしまうくらいでした。

一方で、チームを勝利に導いたのは、同じベンチからのベテラン2人でした。
コービへのディフェンスと勝負どころでのスリーポイントで貢献したポージーと、
デニス・ロドマンを髣髴とさせるリバウンドとディフェンスで制空権を支配したブラウン。

特にブラウンは、相手をしっかりとスクリーンアウト(ブロック)し
ジャンプさせないようにながらしっかりとリバウンドをもぎ取るという
小学生でもやれることを勝負どころで憎らしいほど淡々と行っていました。

派手さは皆無ですが、こういった地味な役回りを
手を抜かずにやれる選手というのは貴重です。
全盛期ですら平均得点が10点程度しかないブラウンが
どのチームでも重宝され続けた理由がよく分かります。

とはいえ、いつもは脇役の面々が目立つ活躍をしたというのは、
それだけ主役陣が頼りなかったということ。

そういう意味では、本来ならば、むしろ、ロサンゼルスの方が
勝利すべき試合だったのは確かでした。特に前半は。

フィッシャーと控えのブーヤチッチはそれなりの活躍をしましたし、
コービ、ガソールも前半は及第点の出来でした。

ただ、後半は、ボストンのディフェンスの術中に嵌り、
後半の総得点はわずか37。

コービは26本シュートを放ちましたが、結局17本を外してしまい、
ターンオーバー(攻撃時のミス)もチーム最多の4つ。
次々と変わるマッチアップする選手(アレン、ピアース、キャセール、ポージー)の
ディフェンスと、要所要所のダブルチームに戸惑ったという感じでしょうか。

ディフェンスこそはボストンの際たる武器であり、
その武器だけはある程度、発揮されたように見えます。
コービが22点しか取れないようでは、ロサンゼルスに勝ち目はないですし。

レイカーズが勝てる試合を落としたという見方は間違いありませんが、
例えば、4年前のファイナル初戦でデトロイトに敗れた時ほど
シリーズの流れを決めた決定的な一戦とはいえない内容でした。

ファイナルはそれまでのプレイオフシリーズ(2-2-1-1-1)とは異なり、
2-3-2方式(上位チームがホームで2連戦、アウェイで3連戦、再びホームで2連戦)で、
第3戦を制するチームが優勝の確率およそ8割(だったと思う)というデータがありますが、
第2戦も同じくらいに重要であると私は見ています。

ホームコートアドバンテージを持つチームが、ホームで2連勝できなかった場合、
アウェイで3連敗すれば1勝4敗でファイナル敗退が決まってしまいます。

一方、アウェイの2連戦でファイナルを迎えるチームも、
実際には第3~5戦のホーム3連戦を全勝することは実際には難しいので、
もしアウェイで連敗スタートならばホームで2勝1敗と勝ち越しても
合計2勝3敗でアウェイで再び2連戦となるのでこれまた非常に厳しい。

さらに、初戦は不調だった選手が普段の調子を取り戻せるか否かという意味も含め、
第2戦は初戦よりもその重要度を増しますが、はてさて。
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ボストンで優勝11回(!)の名センター、ビル・ラッセル爺(左)と、史上最高のセンターで通産得点記録保持者、元レイカーズのカリーム・アヴドル=ジャバー翁(右)。偉人・オブ・偉人です。
世代が違うけれど、同じ時代だったらどうなっていたことか。
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by Worthy42 | 2008-06-08 02:33 | バスキチ(NBA)
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