今週の読了帳(05・25~06・08)

一回開けてしまいましたが、
最近は新書やノンフィクションものに熱を上げています。
今読み進めているのも新書の2冊。

野村進の『調べる技術・書く技術』(講談社現代新書)と、
勝間和代の『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』 (光文社新書) 。

仕事で毎日のように見慣れない単語を調べてはいるんですが、
辞書引いて、ググッて、文献引いて、それで 「済ませて」いるような気がしていて。

まあ、確かに逐一調べ尽くさなくても理解できるし、時間的余裕もないのですが、
もっと深度を掘り下げて調べてみることも大切かなと思って、前者を読んでいます。

後者の著者は、一躍時の人となりつつある公認会計士兼経済評論家。
短期間でのあまりの多作振りに(出版社から矢のように依頼が来るのでしょうが)、
ほんとに全ての作品がテーマも重ならずそれぞれ読み応えがあるのだろうかなどと
正直、胡散臭いものを見るような、疑わしい目で私なんかは見ていますが、
とりあえず1冊読んでみようと思って目を通しています。

まだ、第2章ですが、面白い。
「目から鱗だ」というのはあまりに大袈裟だけれども、
自分でも自覚していた金融に対する不見識ぶりには大いに反省しきりです。

確定拠出型年金(401k)だって勿論知ってはいましたが、
誰かに説明できるほどの詳細な知識は欠けていましたし。
とりあえず、金融リテラシーについて勉強しようと思います。


・『戦争広告代理店 情報操作とボスニア紛争』(高木徹)
評価:A+

講談社ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を
ダブルで受賞した、NHKのディレクターによる作品。

数年前に購入して途中で読み止まっていたのを
最近になって再び読み出した。

面白い。情報が戦争を変える、情報が戦争を制することがどういうことか、
この本1冊を読むだけで十分に理解できる。

そのやり口はあまりに理不尽で無情だし、
情報操作がもたらす人命の損失など二の次。

私を含め、いかに多くの人間が第三者の手によって加工された情報を
鵜呑みにしているのか、今更ながら知らされて打ちのめされた気分になる。

多くの視聴者は情報を操る者の盲目的な奴隷でしかなく、
改めてメディアの情報に懐疑的にならなければと自らを戒めざるを得ない。


・『終わらぬ「民族浄化」 セルビア・モンテネグロ』(木村元彦)

これは後々書評ブログの方で書きますが、
木村元彦さんは私が尊敬するジャーナリストの1人。

中欧、東欧の政治からサッカーまで専門とし、
『オシムの言葉』の著者であり、オシムやストイコビッチらの信頼も厚く、
今週号の『ナンバー』にもクロアチアの記事を寄稿している。
早く新しい新刊が出て欲しいと心待ちにしているのだが。

作中、ドイツの国民的な作家、ペーター・ハントケは、アメリカのイラク攻撃に際し、
フランス、ロシア、ドイツ各国がイラク開戦に強行に反対したことについて、
かつてのユーゴ問題を絡めてこう断じている。

「皆、突然戦争に反対しだした。(中略)どんな国でもその主権は尊重すべきだという。
ではかつて世界をナチズムから解放することに貢献したユーゴスラビアに対して、
その権利を一切認めなかったのは誰なのだ。(中略)誰ももうユーゴのことは語らない。
ミロシェビッチ(元大統領)をヒトラーにたとえたことはしても、
サダム・フセインになぞらえたことはない。そんな奴らが突然、なにが平和主義者だ。
ユーゴへの戦争に賛成した輩とは声を一緒に合わせたくはない」

全くもってその通り。
頭が痛くなる指摘であり、正論だ。

・『TENGU』(柴田哲孝)
評価:AA

第9回大藪春彦賞受賞作。
いやあ、なかなか読み応えがありました。

ただ、「壮絶なミステリー 類稀なる恋愛小説」って帯の惹句は
間違ってはいないけれど、どうかなあと思うけれどね。
男女の情愛をなんでもかんでも「恋愛小説」で片付けるセンスはちょっとね。

<Now on Reading>
・『調べる技術・書く技術』(野村進)
・『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』(勝間和代)
[PR]
by Worthy42 | 2008-06-08 21:23 | 一冊入魂(読書記録)
<< Game 2 開幕戦 >>