今週の読了帳(11・24~11・29)

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悩んだ末にプライベートの手帳を「高橋」のNo.89にした。
ここ5年くらいで初めてのMoleskine 以外の手帳(仕事用はMoleskineだけど)。
手帳通にして文房具通の趣味人の知り合いには
「オフ用には地味すぎるし、無駄な機能が多い。心もウキウキしないよ」と言われたが、
無性にスタイルを崩してみたくなったので、思い切って代えてみた。

ところで、日本版の「月刊PLAYBOY」が今月号で終刊。
好きなライターのインタビュー記事があれば、好きな作家の葉巻講座もあるし、
何より読みごたえのある記事が盛り沢山の希少なエンタメ系月刊誌だったので、
来月からもう読めないとはなんとも残念。
こういう雑誌が読まれなくなってしまった現状が、なんとも寂しい。


さて、読みたい本が続々と出てきて、年末年始に何を読もうかと困っている。

沢木耕太郎の新刊『旅する力―深夜特急ノート 』は、
『深夜特急』で書かれなかった話などが満載の旅文章の総決算らしく、
沢木と同じ26歳で会社を辞めて海外を放浪した私にとっては外せない一冊。

篠田節子の『弥勒』、ナンシー・ヒューストンの『時のかさなり』も読んでみたいし、
買おう買おうと思ったままになっていた佐藤亜紀の『ミノタウロス』、
女性が主人公のノワール小説の傑作らしい『暗黒街の女』も気になってしょうがない。

こんな悩みなら大歓迎ではありますが。

<今週の読了本>
・『制裁』(アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム)
評価:☆☆☆☆

グラスニッケル賞最優秀北欧犯罪小説賞受賞作。初の北欧作家の作品。
少女ばかりを狙った猟奇的な強姦殺人魔が移送中に脱走し、
社会を恐怖と混乱に陥れるなか、事態は最悪な結末を迎えつつ・・・。

性犯罪者はどの国のどの刑務所でももっとも蔑まれる存在である一方で、
それにもかかわらず、更生が難しいと言われているのもまた事実。
そんな病的な犯罪者の毒牙にかかった少女の死がまた別の死と憎悪を生み出す
悲劇の悪循環には、活字なれど目を覆わずにはいられなかった。

章の構成がなんとなく馴染みないスタイルで慣れるまで読みにくいのはご愛嬌。
ストーリは直球で、展開はすぐにピンと来るが最後まで読ませるし、考えさせられる。
著者の一人はかつての服役囚だとか。なるほど、刑務所内の詳細な設定はそれでか。

・『無頼の掟』(ジェイムズ・カルロス・ブレイク)
評価:☆☆☆☆

愉快な叔父2人と嬉々として悪事に手を染めるソニーはある失敗で刑務所に送られる。
何とか脱走して再び銀行強盗に明け暮れる日々を過ごしているソニーに、
息子を殺されて復讐を誓う鬼畜刑事ボーンズの魔の手がすぐそこまで迫ってきて…。

この著者は私的には2008年の最大の発見の1人。
『荒ぶる血』が傑作だったのでこれも読んだのだが、正解だった。

なんといっても、描かれている人物の個性が生き生きと際立っていて、とても魅力的。
ソニーと叔父たちとの悪党なりの厚い信頼関係にも絆されるが、
この作品の真骨頂は、無法者たちの下世話で悪趣味な下卑た会話のオンパレード。
知性や品性の欠片もないが、拍手喝采をしたいほどハンパなく面白くて、くだらない。

1930年代の犯罪ピカレスクロマンで褒められた人物は一人も登場しないし、
道徳的には不健全な、圧倒的な悪者たちのストーリーであるのだが、
読む者の血を滾らせてくれるパワフルな一冊。


<Now on Reading>
・『日本語の作文技術』(本多勝一)
・『ブラックジュース』(マーゴ ラナガン)
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by worthy42 | 2008-11-30 01:39 | 一冊入魂(読書記録)
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