今週の読了帳(11・30~12・07)

この時期になると「年間ベスト本」関連の雑誌が店頭に並びます。
『月刊PLAYBOY』、『月刊現代』といった12月で廃刊を迎える雑誌もあって、
今年の師走は読みたい本、雑誌が山のようにあります。

で、さっそく『このミステリーがすごい 2009年版』を読みました。

好きな作家でなければよほどのことがないと新刊を読まないので、
国内一位の話題作『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎)をはじめ、
上位20冊どころか、21位以下も含めた全76冊で読了したのは
馳星周の『弥勒世(上下)』1冊のみ。

ただ、2位の『ジョーカー・ゲーム』(柳広司)、4位の『告白』(湊かなえ)は
文庫落ちを待てないので、早いうちに読んでみたいと思ってます。
『ゴールデンスランバー』と13位の『決壊』(平野啓一郎)もすぐに読みたいんですが、
海外翻訳作やノンフィクションとのバランスを考慮した上で考えようかな。

海外一位は『チャイルド44(上下)』(トム・ロブ・スミス)。
うん、これはかなり面白かったので納得。私の中でも今年の上位作品のひとつです。

海外部門は『チャイルド44』をはじめ、上位20作のうち5冊を読了。
『深海のYrr』のベスト10漏れ、『北東の大地、逃亡の西』のベスト20入りは意外。

3位の『運命の日(上下)』、14位『極限捜査』には興味があります。
『極限捜査』は前作のシリーズを読んでいま一つピンとこなかったので、
この第2弾で前作で味わった失望を興奮に変えてほしいと期待しています。

ちなみに、13位の『ザ・ロード』(コーマック・マッカーシー)は
ペーパーバックが出ていたので原作に挑もうかなと考慮中。


<今週の読了帳>
・『ルインズ 廃墟の奥へ(上下)』(スコット・スミス)
評価:☆☆☆

衝撃的と言われたデビュー作『シンプル・プラン』以来、実に13年ぶりの新作。
メキシコのカンクンを観光で訪れたアメリカ人学生4人は、
弟を探しているというドイツ人を助けるべく、ジャングル奥の廃墟へと足を踏み入れる。
そこには想像もしない絶望的な恐怖が待ち受けていて・・・というパニック小説。

この手の小説(映画もそうなのだが)を読むといつも思うのだが、
登場人物の救いようのない愚かさが嫌でも目につく。

果てしない犯罪的な愚かさが死を手繰り寄せるというのは自明の理で、
この種の物語を紡ぐ上では欠かすことのできない設定であることは分かるのだが、
たとえば、日本人が実際に作中の困難にぶつかったとしたら、
もう少し、控え目で冷静な行動を取るのではないかと勘ぐってしまう。

まあ、それがアメリカ的と言えばアメリカ的なのだろうし、
同胞を好意的に過大評価しているのかもしれないけれど。

前作は狂喜の果ての絶望を、今作では絶望の中の絶望。
スコット・スミスは極限の状況を描くのがお好きなようで、
極限まで追い詰められた人間の心理を炙り出すのはぞっとするほど巧い。


<Now on Reading>
・『日本語の作文技術』(本多勝一)
・『ブラックジュース』(マーゴ ラナガン)
[PR]
by worthy42 | 2008-12-07 11:27 | 一冊入魂(読書記録)
<< 師走狂想曲 Breakout >>