Book of the Year 2008 国内・フィクション

『北東の大地 逃亡の西』でスタートしてから(正確には大晦日に読了だが)
2008年に読み終えた本は80冊(雑誌を除く)。

「今年こそは年間100冊」を目標にしてきたので、
20冊も少ないのは正直、忸怩たるものもないではないが、
今年もいい本に出合えたことには素直に感謝したいというか、幸せだった。

読書用の手帳を改めて見てみると、この一年間にいろんな本を読んできたなあと思う。
1週間に何冊も読了した週もあれば、一月に1冊しか読み終えなかった月もある。

今年の1月に読んだ本の内容や情景がまだ心に浮かんでくる本もあれば、
今月読了したばかりなのにほとんどあらすじを忘れた本もある。
就寝前に読んだ本もあれば、風呂の中でキャンドルを灯して熱中した本もある。
「読み方」も本の印象を左右するんだなと改めて気づかされた年でもある。

そんな80冊を国内&海外フィクション、及びノンフィクションに分けて私的にランキング。
(内訳は国内50冊/海外(翻訳モノ)30冊、フィクション57冊/ノンフィクション23冊)
ちなみに新刊はあまり買わないほうなので今年発刊分は少なく、
加えて、「私的」なので、私の好みがもちろん優先されています。あしからず。

まずは国内フィクションから。

①『ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎)
②佐藤亜紀 『バルタザールの遍歴』、『天使』、『雲雀』ほか
③『弥勒世(上・下)』(馳星周)
④森博嗣 『四季(秋)』ほか
⑤和田 竜 『忍びの国』、『のぼうの城』
⑥『ジョーカー・ゲーム』(柳広司)
⑦『太平洋の薔薇』(笹本稜平)
⑧『TENGU』(柴田哲孝)
⑨『背の目』(道尾秀介)
⑩『新釈 走れメロス』(森見登美彦)


「のめる込ませる興奮度」+「心に染み入る深度」+「考えさせられる思索度」をもとに、
7位まではすんなり決まった。8位から10位は、直感的に。

①は「このミス2008」第一位、「本屋大賞」を含む、4冠に輝いた500ページもの大作。
過剰な期待をしないで読み進めたのだが、噂に違わぬ見事な作品。
やや冗長すぎるきらいもあるが、一気にのめりこんで読んだ。特に思索度は満点だった。

②の佐藤亜紀は今年の大収穫の一人。
こんな書き手が日本人にいるのか、と驚愕するとともに興奮した。
挙げた3作品すべてが素晴らしいので作者名で。

ノワールの旗手、馳星周が日本返還前夜の沖縄の史実に基づいて
書き上げた暗黒小説。上下巻で1200ページに上る超大作で
行間から迸る負に満ちたエネルギーが圧巻の一言に尽きる。

学生時代以来、久々に読み進めた森博嗣の一連のシリーズは、
特に『四季 秋』で明らかにされた2つのシリーズの繋がりに唸らされると同時に、
森の壮大な世界観にまさに、「天才だ・・・」と震えずにはいられなかった。

⑤の和田竜も今年の発見の一人。毛嫌いしていた時代小説に開眼させるほどの
抜群の面白さで、とりわけ、『忍びの国』は超ド級の迫力。
時代小説にもっと挑戦してみようと思わせてくれた。

⑥は新感覚のスタイリッシュで型破りな短編スパイ小説。
ある章では主人公のスパイはわずかに姿を見せるだけでセリフも何もない。
ただ、この小説を白眉なものにしているのはロマン溢れる最後の章だと私的には思う。

⑦は男気に満ちた海洋ロマン冒険小説。
海の男の矜持とはなんぞや、ってなことを言動で示す主人公の姿は
男として尊守すべき大事なことを教えてくれるようで、胸が熱くなった。

⑧は20数年前に群馬の寒村で起こった殺人事件を在日米軍と政治的に関連させ、
壮大で奇想天外な結末に落とし込んだ手腕に感心した。
ねっとりと肌に絡まってくるような不快な恐怖感が秀逸。

⑨はおどろおどろしさ満開のホラー小説。
天狗伝説と絡めた身の毛のよだつ不気味さが癖になりそう。
少なくとも私なら冒頭の経験だけでこの地には二度と足を踏み入れないぞと固く誓う。

⑩は古典の文字通り、現代的な新釈版で、乾いた笑いを提供してくれる。
この青春小説を読んで森見登美彦のファンになったのだが、
それ以上に、学生時代に戻りたくて戻りたくてウズウズしてしまった。
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by Worthy42 | 2008-12-28 14:55 | 一冊入魂(読書記録)
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