今週の読了帳(02・08~02・15)

ストレスが溜まってくると本に散財したくなるが、
とりあえずは仕事が一段落したら買い漁ろうと心に決めている。
買いたい本を考えることがストレス発散だったりする。

忙しい時に限って本が読みたくなるのは、要は、逃避なわけだが、
今週は久々に明け方まで読み耽って、かなりの時間を読書に充ててしまった。


<今週の読了本>
・『狼の夜―TV局ハイジャック (上・下)』(トム・エーゲラン)
評価:☆☆☆

ノルウェーのテレビの人気討論番組に招かれたチェチェン人亡命者たちが
突如、スタジオにいる人々を人質にして立て籠った。
武装した彼らは生中継で非現実的な要求を叩きつけ、
指定した時間までに要求を呑まなければ人質の殺害を予告する―――。

チェチェン問題を考えさせられるだけでも読む価値はあった。
実際に、この手の汚いやり口は世界中の至る所でまかり通ってそう。
何が真実かそうでないか、きっと人は本質的には無関心なのだと思った。

・『MM9』(山本弘)
評価:☆☆☆☆

地震や台風のように「怪獣」による災害が多発する現代の日本。
そんな怪獣による被害を最小限に抑えるために奔走する
「気象庁特異生物対策部」の活躍を描いた、SF怪獣作品。

心情的には5つ星でもいいかなと思ったほど楽しく読めた。
子供の頃、怪獣や妖怪に憧れていたので(いまでもUMAには心躍る)、
この手の作品は読みたくてたまらなかった。続編を心待ちにしたい。
ちなみに、MMとはモンスター・マグニチュード。なるほど。

・『9・11倶楽部』(馳星周)
評価:☆☆☆☆

最初の方は「これは馳星周の新境地か?」 と疑ってしまうほどのまっとうさ(=毒の薄さ)。
主人公はサリン事件で妻子を失い、絶望の中、消防士から救命士に鞍替えした中年男性。
だが、亡くした息子たちと同じ年頃の不法滞在外国人の孤児たちを助けようとしたことから、
馳作品ならではの「転落物語」の歯車がかみ合い、男は破滅へとひた走る。

とは書いたが、これは馳作品の中で一番、読後感が良かった(あくまで馳作品の中で)。
それが物足りないという気もしないではないが、破滅的な音色のなかに
かすかな達成感(希望ではないが)が残響として混じり合っていて心地よい。
一方で、当然のように、清濁併せ持つ残酷で悲劇的な音を奏でるもので、
それはそれで、新宿を舞台にした音色ならではという気もした。

・『サクリファイス』(近藤史恵)
評価:☆☆☆☆

自転車ロードレースを舞台にしたスポーツミステリ。
ツール・ド・フランスを観てみたいと願うファンとしてはこの設定だけでも嬉しい。

ロードレースにはそれぞれの選手に役割があって、
サッカー、バスケットのようにピッチやコートに立てば脚光を浴びるというものではなく、
エースを補佐するアシスト役は生涯、表舞台で称賛されることはほとんどない。
トップを狙える位置で走っていてもエースの自転車がパンクすれば
自らの自転車のタイヤを差し出してリタイヤしなければならないこともある。
この競技ならではのそんな役回りの残酷さを上手く突いたミステリだなと思った。

主人公がややおセンチすぎるのもグッド。


<ただいま読書中>
・『官邸崩壊』(上杉隆)
・『激流中国 NHKスペシャル取材班』
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by worthy42 | 2009-02-15 18:59 | 一冊入魂(読書記録)
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