オースター日和

先日、美容室に髪を切りに行った。

担当の美容師さんが結婚で今月退職して美容師業界からは足を洗うというので
髪を切ってもらうのは今回が最後。

チョコレートが何よりも好きだということしか知らないので、
ご祝儀代わりにチョコレートを贈る。

大阪に暮らして5年。
若々しいファッションでずっと3つくらい年下の子だと思っていたが、
実は私よりも5つほど年上の店長だったと後で知ったこの担当さんに、
大阪に来てからの5年間、ずっと切ってもらっていた。

プライベートでも会うほど格別に親しいというわけではないが、
一定の間隔をおいて絶えず会っていた人との永遠の別れというのは、
5年間でおよそ40回ほどという回数の多さもあってか、意外なほど不思議に感慨深い。


この感慨深さを消化しきれないまま、夜、知人が主宰している劇団の劇を見に難波まで。
今回は別の知人からも役者として出演していると連絡をもらっていたので興味深々。
正月から予約していたので手作り感が満載の舞台に近い一番前の席で観劇する。

舞台に仄かな明かりが射し、役者が登場すると、なぜだか、いつもゾクゾクと身震いする。
今この瞬間に眼前で迸っている情熱の結晶に晒されるのがたまらなく刺激的で
むしろ情熱の熱波に襲われてこの場から立ち去りたい気さえするのだけれど、
舞台を所狭しと動き回る役者から伝わってくる熱気に凌駕される心地よさに根負けして
息をつく暇もないほど見入ってしまう。


さらに心を掻き回されたような感じで、この気持ちをどこに収めたらいいのだろうと、
心のやり場に当惑していると、ふと、ポール・オースターの作品を読みたくなった。

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次回公演は夏とのこと。
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by worthy42 | 2009-03-08 22:59 | 情熱と怠惰の断片(日記的)
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