共感と失望と

久方ぶりに仕事も学校も予定もない週末。
午前中にすべきことが長引いたので午後の用事を一部変更して、
今月末の結婚式用にスーツを新調に行く。

タイをシルバーにするかどうか悩んでいる私に
「蝶ネクタイはどうですか」と勧めてくる、愛嬌のある小太りな店員と話していると、
ふと、彼の鼻の頭にニキビがあることに気付く。

実は、私もちょうど同じところに少しだけニキビができているので、
2人そろってトナカイ、もしくは、ピノキオという構図に凄まじく共感を抱いてしまい、
スーツの選択もそそくさと済ませてあれやこれや四方山話に興じてしまった。


オランダ―日本の親善試合。

(経済紙なのに)2人の抜群に優秀なサッカー記者を擁する日経が
本質を突く表現で日本代表を言い当てていた。

「小オランダ」

後半は大丈夫なのかという不安を感じつつも、確かに前半の日本は賞賛すべき内容で、
シュート以外はまさに「小オランダ」。言い得て妙だったと思う。

小気味のいいパス回しと前線からの執拗なプレスは目を見張るほどで、
その驚きゆえに、率直にいえば、ここ数年で一番テレビに齧りついてサッカーを観た。

が、オランダの監督や選手が話していたように、
ゴールの予感は不思議なほどに、残念なほどに、皆無だった。

酷評されたFW陣が、たとえ期待の森本や大久保に代わったとしても、
その雰囲気はきっと変わらなかったはず(個人的には2人+前田には期待しているのだが)。

特に、雨が降り出し、コンディションが悪化した後半は、
両国のすべてにおける差がピッチ上に残酷なまでに表れてしまった。

パス、トラップ、ドリブル、シュート。
基本的なスキルで、なぜこれほど違いが出るのか不思議でならない。

仮に、あの積極的で大胆なプレスを90分間続けられる体力があったとしても、
健闘の部類に入るか否か、程度の敗戦すら免れないだろう。

総じて言えば、オランダクラスの相手に勝てる可能性は限りなくゼロに近い。

もう一つ、気になることは、この試合はあくまで親善試合で、
W杯の予選リーグ(または決勝トーナメント)で対戦する際とは状況が大きく異なること。

日本が勝利以外では敗退が決定する試合でアルゼンチンに対峙する場合、
逆に、スペインが勝利以外で予選敗退と追い込まれた試合で日本と戦う場合。
そんな状況下でも臆することなく戦える準備ができているのか甚だ不安で、
相手によってではなく、さまざまな状況にも柔軟に合わせる戦い方の選択肢が、
まだオランダクラスに対しては少ない、というかほとんどない。

ベスト4という高い目標を抱えながら(抱えているのだからこそ)、本選を見据えず、
強豪との一戦をただの独立した、貯金も借金もないなかで始まる一戦としか考えていない
戦い方に明け暮れる指揮官と選手たちには、なんというか、不安よりも、失望、した。

結局、観戦後の煮え切らない気持ちはいつもと同じだった。
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by worthy42 | 2009-09-06 21:24 | 情熱と怠惰の断片(日記的)
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