今週の読了帳(11・04~11・08)

久々に図書館に。

図書館で借りる際は以前なら借りたい本を期限冊数分ネットで予約しておいて
すべて借りて帰っていたのだが、そうして借りた時は「読まなければ」という意識が先行して、
読むこと自体に息苦しさを感じて、たいてい全部の本を読み切れずに返却せざるを得ない。

そのせいで、いつからか、どうしても読みたい2、3冊をネットで事前予約する以外は、
場当たり的に読みたい本を探して、なければ借りずに帰るようにしている。

で、今回借りた一部の本はこちら。

・『煉獄の使徒(上)』(馳星周)
・『ミノタウロス』(佐藤亜紀)
・『世界の翻訳家たち  異文化接触の最前線を語る』(辻由美)
・『パーネ アモーレ  イタリア語通訳奮闘記』(田丸公美子)


<今週の読了帳>
・『時間封鎖(上下)』(ロバート・チャールズ・ウィルスン)
評価:☆☆☆☆

SF界でもっとも権威ある賞、ヒューゴー賞受賞作にして、ゼロ年代最高の本格SFと誉れ高い作品。

ある夜を境に、月が消え、星が消え、太陽が偽物にとって代わり、地球は巨大な特殊幕に覆われる。
そして、地球の時間だけが宇宙の一億分の一になってしまう。なにが、いったい何のために?
迫りくる壮大な規模での異常を前にして、人間はどう立ち向かうのか。


ご都合主義が結構あってそれで4つ星としたのだが、壮大な構想は実に見事。
人類が未曾有の規模に晒された時、それでも人は人として日常を生きねばならず、
このあくまで人間臭い部分(特に宗教や恋愛について)を主軸の一つに組み込んだことが、
(アメリカ的ではあるが)本作品をSFの枠を超えた傑作にしていると思う。
文体はSFとは思われぬほど、思索に満ちていて文学的。

訳者の後書きによると、これは壮大な三部作の一作目とのことで、二作目、三作目での展開が楽しみ。


・『前夜(上下)』(リー・チャイルド)
評価:☆☆☆☆

ベルリンの壁崩壊直後の1989年、機甲師団の将軍が安っぽいモーテルで死体で発見される。
そして、その妻、デルタフォースの隊員、そして隊長までも殺害される。
一連の事件に不審なものをかぎ取った軍警察(MP)指揮官、ジャック・リーチャー少佐は、
さまざまな妨害に遭いながらも執念深く真相を追う。


英国バリー賞最優秀長編賞受賞作の評判に違わぬ好作品。
事件そのものもストーリーもいいのだが、主人公の母親との関係も妙味な伏線になっている。
ベルリンの壁崩壊という時代に翻弄されたのは、欧州に展開していたアメリカ軍とて同じなのだ、
そんな感慨に浸らされてしまう謎かけでもあった。


<ただいま読書中>
・『警視庁心理捜査官』
・『THE ROAD』(Cormac McCarthy)
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by worthy42 | 2009-11-08 22:03 | 一冊入魂(読書記録)
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