反面教師

先日、BRICSを中心とした新興国の担当省官庁の関係者が来日して
関連業界の動向等に関して講演会をするというので聴講に出かけた。

私はアルゼンチンの講演会の担当だったのだが、
スピーカーは弁護士で、聴衆の前面で話すのに慣れているせいか、
さすがに英語の抑揚の付け方が達者で、講演もわかりやすかった。

ただ、他国の講演会を聴講した同僚すべてが漏らしていたのだが、通訳には参った。

おそらく、業界の専門家でもなければ、関連分野の経験もなかったのだろう、
業界人にとっては必須と思われる単語を異なる意味に訳していたのだが、
それはまだしょうがないという気が私自身はしないでもない。

問題は、通訳のスピードが追い付いていないこと、だった。

話し手の言葉尻に通訳が追い付かないものだから
詰まった個所や結論部分をうやむやに言い濁して、次の文章へ移ろうとするため、
肝心の内容がいま一つ分からぬまま、消化不良の連続で酔いそうになった。
おそらく、訳していた当人も「これはマズイ」という思いで焦っていたのだろう、
徐々に声からも自信のなさが伝わってきて、ますます何を言っているのか聞きとりにくくなっていった。

アルゼンチン人のスピーカーは英語がまだきれいだったので
途中からは同時通訳用のヘッドフォンを外して英語を聞いていたのだが、
英語の訛りが強くて聞きとりにくかった話し手の回に参加した同僚は
英語に逃げるわけにもいかず、かといって日本語も何を言っているのか分からず、
「苦行以外の何物でもなかった」そうだ。

閑話休題。

仕事柄、業務で送るメールの9割は英語で書くのだが、
先日、緊急の用件で急遽、11の国の同業者に見積もり依頼のメールを送る羽目になった。

翌日までに返信をくれるようにお願いしていたので、
期限内にすべての同業者から返事をもらったのだが、
その返信内容の書き方は千差万別で興味深かった。

箇条書きで3つの質問をしていたのだが、
同じく箇条書きで3つの答えを明快に書いてきたところもあれば、
面倒くさかったのか、こちらが送った送信メールの下に回答を書いてきたところもあった。

PDFの添付資料をつけてそれを参考にしてくれというところもあれば、
メールの文章に料金表を直に貼って返信をよこしてきたところもあり、
PDFの添付資料に加えて、その説明をメールで事細かに説明してきたところもあった。

料金表にしても、合計料金だけをちょこんと記すところもあれば、
合計料金とその料金の内訳を仔細に記載してきたところもあった。

欧州で適用されるとあるルールをさも当然のように記してあるメールもあれば、
そのルールがどんなものでどれだけの国に適用されるものであるのか、
至極丁寧に記してあるメールもあった。

そもそも、見積もり依頼に対して、「見積もりのご依頼ありがとうございました」
「お問い合わせ頂きましてありがとうございました」などという文章でメールを始めるところもあれば、
何のお礼も挨拶もないところもあった。


たかが言葉、されど言葉。
たかがメール、されどメール。

言葉の持つ意味とは、サービスの本質とは、どんなことを言うのか、
1つの文章や1通のメールからだけでも十分に判断できるのだなと改めて考えさせられた。
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by worthy42 | 2009-12-13 21:39 | 情熱と怠惰の断片(日記的)
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