カテゴリ:一冊入魂(読書記録)( 148 )

今週の読了帳(12・07~12・13)

今週は『このミステリーがすごい!2009』と『本の雑誌 2009年度ベスト10』を購入。
前もって購入しておいた『一個人』、『ダカーポ』、『ダ・ヴィンチ』の特集号と合わせて読み漁って、
年末年始に読む本を決めることにする。

ちなみに、『このミス2009』の国内、海外のベスト20に入っていた本で読了したものはゼロ、
『本の雑誌 2009年度ベスト10』の方でもベスト10内で読んだ本はゼロ、だった。

年末年始にまとめて本を読み漁るスタイルにしているせいもあるが、
それだけ私の読書スタイルが最新の流れに乗り遅れている表れであるのだが、
『このミス2009』の国内ベスト20で興味を引いた本は4冊しかなく、
そのうち今すぐに購入してでも読みたいと思ったのがわずか1冊しかなかった。
私の興味のある分野がいかに偏っているのか、誇らしいような情けないような複雑な気持ちになる。

ざっと見て、気になったのは、以下の通り(これまでに挙げた作品を除く)。

・『粘膜蜥蜴』
・『仮想儀礼』
・『ダイナー』
・『戦場の画家』
・『コーパスへの道』
・『よろこびの歌』
・『猫を抱いて象と泳ぐ』
・『ダブリンで死んだ娘』

で、年末年始用に購入したのは次の通り。

・『ダブル・ジョーカー』
・『小太郎の左腕』
・『犬の力(上・下)』
・『1Q84(1・2)』
・『月野さんのギター』
・『Top of The World』
・『戦場の掟』

あと、『グラーグ57』と『ユダヤ警官同盟』を買うかどうか迷うところ。

<今週の読了帳>
・『新世界より(上・下)』(貴志 祐介)
評価☆☆☆☆☆

今から1000年後の日本のとある町。
人々は呪力というサイコキネシス(念動力の一種)を駆使して
境界の張られた領域内で異類の生物と「共存」していた。
子供達は綿密に管理された社会で呪力を身につけるよう教育されながら大人への階段を昇っていく。
そんななか、忌み嫌われてきた突発的な事態が起こり、人類は破滅への一途をたどる。
選ばれた少女、渡辺早紀は意を決して未曾有の邪悪な奸計に挑もうとするが、
その過程で秘匿とされた、これまでの日本と世界の歴史と、人類に降りかかった禍を知って・・・


上下巻合計して1100ページにもなる大作ながら
怒涛のように押し寄せてくる異様な日本の未来世界にぐいぐいと引き込まれる。
そして次第に明かされる今の世界の崩壊と変容、ラストに明かされる人類の衝撃的な変遷に、
ただただ、言葉を失ってしまった。

現在、イラクで傭兵として生きる(そして死ぬ)人々を描いた『戦場の掟』を併読しているせいもあって、
人類の業というか、人が人を傷つけるがゆえに人でいられなくなる空間が世界各地で続発すれば、
今作品ほどのSF的変容を遂げずとも、人類社会は確実にかつ残酷にその寿命を自ら縮めるはずで、
そういう意味では、人間存在の極限的な悪に限りなく迫りつつ、
それでも性善説を尊び、人間の究極的な善に大きな期待と希望を見出してもいる。

先の読めないミステリ的な要素も十分にちりばめた壮大的な作品であり、
「第29回日本SF大賞受賞作」という誉れに偽りなし、のSF大傑作。

<ただいま読書中>
・『戦場の掟』
・『夜は短し歩けよ乙女』
・『野村ノート』
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by worthy42 | 2009-12-13 22:29 | 一冊入魂(読書記録)

今週の読了帳(11・30~12・06)

『一個人』、『ダカーポ』の「今年最高の本」特集号を購入したのに次いで、
『ダ・ヴィンチ』の「Book of The Year 2009」号も購入。

残るは『このミステリーがすごい』と、『本の雑誌』の特集号を買うのみ。
来週末には両号とも書店に並ぶのでこの2冊と合わせて5冊をまとめ読みして
年末年始に読む本を決める予定。

・・・だったのだが、『1Q84』(村上春樹)を中古で発見して思わず購入してしまう。
もともと村上春樹がそれほど好きではなく、読んだ本も4、5冊ほどで、
もっとも印象に残っているのがオウムサリン事件の被害者の声を集めたインタビュー集、
『アンダーグラウンド』なのだから、我ながら「春樹熱」の低さが窺える。
(ただし、翻訳者としての「ムラカミハルキ」には、とても注目している)

それゆえ、いくら巷で騒がれようとも文庫落ちして読もうと思っていたのだが、
たまたま足を運んだ古本屋で7割引きで発見したのでつい買ってしまった。

ただ、読破するのにとても時間がかかりそうな長編を2冊も購入してしまったので、
読書計画を大きく変更するはめに。ノンフィクション巨編をやめて新書にしようかな。

少なくともハルバースタムの『ザ・コールデスト・ウィンター 朝鮮戦争(上・下)』はまたの機会に。
やはり、未だ読みかけのピューリッツァー賞受賞作『ベストアンドブライテスト』を読了してからにする。

ということで、決定したのは今のところ次の5冊。

・『ダブルジョーカー』
・『小太郎の左腕』
・『1Q84』
・『月野さんのギター』
・『Top of The World』


<今週の読了帳>
・『ミノタウロス』(佐藤亜紀)
評価:☆☆☆☆

20世紀初頭、ロシア革命前夜で混迷を極めるウクライナを舞台に、
田舎地主の息子ヴァーシャは故郷を飛び出し、暴行、略奪などを重ねて
戦時を強かに生き抜くも破滅に向けてひた走る・・・


「本の雑誌」の2007年ベスト1にして、第二十九回吉川英治文学新人賞受賞作。
ピカレスク・ロマン+ノワール+アナーキー小説といった趣で、
成金地主のドラ息子ながら獣性全開で悪行の限りを尽くす主人公の陰鬱なストーリーなのに、
佐藤亜紀独特の優美で華麗な日本語の表現もあって、不思議と静謐で豊穣な読後感をもたらす。

第3回日本ファンタジーノベル大賞を受賞した『バルタザールの遍歴』でも感じたのだが、
血で血を洗う凄惨で野蛮極まりない内容を佐藤ほど優雅に描く筆力を備えた作家を他には知らない。
というより、佐藤の一連の作品を読むにつけ、同じ日本人が書いた作品だとは到底信じられないのだ。

私個人にとっては、沢木耕太郎のノンフィクションを除けば、
2度、3度読むのに耐えうる日本でただ一人の作家の傑作。
(とはいえ、読者を選ぶ。まずは、『バルタザールの遍歴』から試すのがおススメ)


<ただいま読書中>
・『極限捜査』(オレン・スタインハウアー)
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by worthy42 | 2009-12-06 20:36 | 一冊入魂(読書記録)

買った、届いた

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by worthy42 | 2009-11-30 22:02 | 一冊入魂(読書記録)

今週の読了帳(11・24~11・29)

ぼちぼち年末年始に読破する本を決めなればいけないのだが、
同時に拙恒例のBook of The Year (Movie of The Year も)を選定しなければいけないので、
今年のベスト本特集雑誌や各種書評&読書ブログを漁っている次第。

最近は骨太ノンフィクション本をどうしようかなと悩んでいるのだが、
日経の書評に出ていた2008年度ピューリッツァー賞受賞作『戦場の掟』に注目。
民間軍事会社のイラクでの実態を暴いた一冊で、アマゾンでもかなりの高評価なので
読み応えがありそう。

同じくピューリッツァー賞受賞作の『倒壊する巨塔―――アルカイダと「9・11」への道(上・下)』。
9.11の関係者、FBI捜査官やオサマ・ビンラディンらの生い立ちからテロに至るまでの人生を
丹念に描いた、調査報道の傑作と誉れの高い作品。NY Times 年間最優秀図書選定作品。

終身刑を宣告されたイギリスの21歳から78歳までの殺人者10人へのインタビューを
1人称形式で紡いだ異色のノンフィクション傑作『殺人者たちの午後』にも惹かれる。
なにせ、翻訳者は大好きな沢木耕太郎。
あの独特の語りで炙り出される殺人者の心情がいかなるものか、興味は尽きない。

最後はもちろん、敬愛するデビッド・ハルバースタムの遺作、
『ザ・コールデスト・ウィンター 朝鮮戦争(上・下)』。
最寄りの書店では「ラストにしてベスト」なる帯で燦然と飾り立てられていて、つい目を奪われてしまう。
この人のノンフィクションは非常に読みごたえがあるので、かなりの時間を割かざるを得ない。
となると、フィクションを愉しむ時間が大幅に減りそうなのがちと心配なのだが。

<ただいま読書中>
・『ミノタウロス』(佐藤亜紀)
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by worthy42 | 2009-11-29 20:33 | 一冊入魂(読書記録)

先週と先々週の読了帳(11・09~11・23)

3連休も2日が仕事でつぶれ、来週末も仕事でつぶれそうな勢いで、
目は疲れて、肩も凝りに凝って、さすがに活字への渇望も薄れてきた。

そんななか、マイミクのぱそ子さんこと、寒竹泉美(かんちく・いずみ)さんが
第7回講談社Birth小説部門賞受賞作の『月野さんのギター』でデビューされたので、
その発売日当日、梅田のブックファーストに閉店間際に駆け込む。

新刊の平台にドサッと置かれていると思っていたのだが、
かなり売れていてすでに最後の2冊だったので、間に合ってよかったと安堵する。

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半ばで挫きかけていたガルシア・マルケスの『百年の孤独』や
スウェーデンの児童作家、トーベ・ヤンソンをお勧めして頂いて以来、
日記やホームページを拝見していた。

様々な賞に応募されては入選や落選を繰り返し経験され、
それでも諦めることなく自らを叱咤激励してずっと書き続けられていたようで、
実際に今、彼女の努力が結実して形となったものを手にとってみて、
この本から彼女の意志と情熱が熾火となって未だに燻り続けているような錯覚に囚われた。


私自身、ジャンルは違えど、20代の半ばから(最初の数年はノンフィクション志向だった)
思い出したかのように散文を書き殴っているのだが、一向に完成の陽の目をみない有様なので
彼女の意志と情熱の結晶をじっくり堪能しながら、私自身の明日の糧にしなければと思った次第。

年末年始にじっくりと読みたいなと思う。


そして、ぼちぼち、書籍も年末商戦を迎えつつあって、
Book of The Year ものの雑誌などが本棚を賑わす今日この頃。

第一冊目は、ダカーポ特別編集の『最高の本 2010』。
まだ全部は読んでいないのだが、これによると、
新聞、雑誌の書評担当者が選んだベスト本は、村上春樹の『1Q84』。

『本の雑誌』も来月特集号が出るし、ぼちぼち『このミス』も出る。
年末年始に読む本を本腰を入れて決めなければ。

<今週の読了帳>
・『警視庁心理捜査官(上・下)』(黒崎視音)
評価:☆☆☆

所謂、「プロファイラー」の活躍を描いた一冊。
学生の頃、マスコミに就職できなければ、アメリカの大学院に行って
専門を生かしてこの職業に就くための勉強をしようと、半ば本気で考えていたので、興味深く読んだ。


・『煉獄の使徒(上・下)』(馳星周)
評価:☆☆☆☆☆

93年のオウム真理教による地下鉄サリン事件をモチーフにして、
かつての純粋なヨガグループが狂信的な「グル」のもと、
サリンを撒く狂信的な集団へと至る過程を丹念に描いた1冊。

No.2として集団内での絶大な権力に酔いしれ、正義を投げ打ったかつての人権派エリート弁護士、
自分を嵌めた上層部への復讐のため、集団に便宜を図って金銭を毟り取る元スゴ腕公安刑事、
絶対の真理を求めて入信しながらも思い描いた理想との矛盾に苦しむ若き信者が、
金、ドラッグ、権力等の欲望の権化と化した俗悪で下劣な登場人物
(浅原彰晃を思い起こさせる「グル」や警察官僚と政治家)らとともに、醜悪な一大絵巻を描く。

はっきり言えば、反吐が出る登場人物ばかりで、共感の欠片もない内容で毒気たっぷり。
つまり、馳カラー満載で読ませる。


<今週の購入本>
・『野村ノート』(野村克也)

<ただいま、読書中>
・『ミノタウロス』(佐藤亜紀)
・『新世界より』(貴志 祐介)
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by worthy42 | 2009-11-23 21:49 | 一冊入魂(読書記録)

今週の読了帳(11・04~11・08)

久々に図書館に。

図書館で借りる際は以前なら借りたい本を期限冊数分ネットで予約しておいて
すべて借りて帰っていたのだが、そうして借りた時は「読まなければ」という意識が先行して、
読むこと自体に息苦しさを感じて、たいてい全部の本を読み切れずに返却せざるを得ない。

そのせいで、いつからか、どうしても読みたい2、3冊をネットで事前予約する以外は、
場当たり的に読みたい本を探して、なければ借りずに帰るようにしている。

で、今回借りた一部の本はこちら。

・『煉獄の使徒(上)』(馳星周)
・『ミノタウロス』(佐藤亜紀)
・『世界の翻訳家たち  異文化接触の最前線を語る』(辻由美)
・『パーネ アモーレ  イタリア語通訳奮闘記』(田丸公美子)


<今週の読了帳>
・『時間封鎖(上下)』(ロバート・チャールズ・ウィルスン)
評価:☆☆☆☆

SF界でもっとも権威ある賞、ヒューゴー賞受賞作にして、ゼロ年代最高の本格SFと誉れ高い作品。

ある夜を境に、月が消え、星が消え、太陽が偽物にとって代わり、地球は巨大な特殊幕に覆われる。
そして、地球の時間だけが宇宙の一億分の一になってしまう。なにが、いったい何のために?
迫りくる壮大な規模での異常を前にして、人間はどう立ち向かうのか。


ご都合主義が結構あってそれで4つ星としたのだが、壮大な構想は実に見事。
人類が未曾有の規模に晒された時、それでも人は人として日常を生きねばならず、
このあくまで人間臭い部分(特に宗教や恋愛について)を主軸の一つに組み込んだことが、
(アメリカ的ではあるが)本作品をSFの枠を超えた傑作にしていると思う。
文体はSFとは思われぬほど、思索に満ちていて文学的。

訳者の後書きによると、これは壮大な三部作の一作目とのことで、二作目、三作目での展開が楽しみ。


・『前夜(上下)』(リー・チャイルド)
評価:☆☆☆☆

ベルリンの壁崩壊直後の1989年、機甲師団の将軍が安っぽいモーテルで死体で発見される。
そして、その妻、デルタフォースの隊員、そして隊長までも殺害される。
一連の事件に不審なものをかぎ取った軍警察(MP)指揮官、ジャック・リーチャー少佐は、
さまざまな妨害に遭いながらも執念深く真相を追う。


英国バリー賞最優秀長編賞受賞作の評判に違わぬ好作品。
事件そのものもストーリーもいいのだが、主人公の母親との関係も妙味な伏線になっている。
ベルリンの壁崩壊という時代に翻弄されたのは、欧州に展開していたアメリカ軍とて同じなのだ、
そんな感慨に浸らされてしまう謎かけでもあった。


<ただいま読書中>
・『警視庁心理捜査官』
・『THE ROAD』(Cormac McCarthy)
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by worthy42 | 2009-11-08 22:03 | 一冊入魂(読書記録)

今週の読了帳(10・26~11・03)

先日、久しぶりに書店に立ち寄ると、気になる新刊が多く並べられていた。
主だったところは、以下の通り。

・『生きて、語り伝える』(ガブリエル・ガルシア=マルケス)
・『沈黙の森』(馳星周)
・『VS.馳星周 トップアスリート対談集』(馳星周)
・『殺してもいい命---刑事 雪平夏見』(秦建日子)
・『小太郎の左腕』(和田竜)
・『殺人者たちの午後』( トニー・パーカー著、沢木 耕太郎訳)
・『完全ドキュメント 民主党政権』(毎日新聞政治部)
・『新版 荒れ野の40年 ヴァイツゼッカー大統領ドイツ終戦40周年記念演説』
 (リヒャルト・フォン・ヴァイツゼッカー)

年末年始の本の選択に迷いに迷いそう。

ちなみに、来週の11月9日でベルリンの壁崩壊後20年を迎える。
ドイツが好きでドイツで暮らした経験があるものとしては、
ドイツ関連本を漁るのも面白いかなと思っている。

余談だが、NHK‐BS1では、来週月曜日(この日だけ生中継)から3週間にわたって、
主に午後9時から毎日、「シリーズ ベルリンの壁崩壊 20年」と題して
ドイツ、そして東欧のあの時代を捉えた特集が放映される。興味のある人はゼヒ。


<今週の読了帳>
・『前夜(上)』(リー・チャイルド)
・『時間封鎖(上)』(ロバート・チャールズ・ウィルソン)

<ただいま読書中>
・『時間封鎖(下)』(ロバート・チャールズ・ウィルソン)
・『世界は村上春樹をどう読むか』(柴田元幸ほか編)
・『THE ROAD』(Cormac McCarthy)
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by worthy42 | 2009-11-03 22:55 | 一冊入魂(読書記録)

For Love of the Book

先週から慣れない契約書の翻訳に悩まされ、自分で設定していた納期を逃した。
自分のスケジュールのための締切で、それほど急ぐ案件でもなかったのだが、
金曜日にはその件で韓国のクライアントと電話会議が予定されているので、
明日の午前中には仕上げて、契約書の内容を頭にたたき込んでおかねばならない。
が、余程ストレスがたまっているのか、持病と化した偏頭痛に酷く悩まされている。


先日、昔の上司(もうすぐ60歳)から小倉でショットバーを開いたから立ち寄ってと電話があった。
私がかつて贈ったランプをインテリアに使わせてもらってるからと、
(失礼ながら)贈った本人すら覚えていないことを言われて戸惑いつつも嬉しかった。

比較的新しい部署の新人として入社した私の直上の上司に当たる方なのだが、
仕事柄もあるのだが、正直言って、仕事上のスキルを直接学んだ記憶はほとんどなく、
特に、所謂、社会人の常識的な言動と言われることに関しては、
その後一般的な会社に転職して生かされるものはほとんどなかった。
(例えば、電話の受け方とか、営業の仕方、とか)

むしろ覚えているのは、仕事外、あるいは仕事の延長線上としての夜の社交術で、
どこに行っても場の雰囲気をつかんで誰とでも親しくなって人気者になる術は素晴らしかった。
残念ながら、この学んだテクニックを仕事として生かす機会は激減してしまったけれど、
それはプライベートで多かれ少なかれ影響を受けているなと実感することはある。

そんな大人としての処世術を教えてくれた上司に開店祝いとして何かを贈りたいなと考えている。
インテリアにお酒に関する洒落た写真集や絵でもどうだろうと思うのだが、
外観も内装も何も知らないので、よく考えよう。これはこれで冬の愉しみとする。


そんなことに頭を悩ませながら、以前から興味のあった読書会なるものに参加する。
要は自分のおススメの本を参加者に紹介するという会なのだが、
読書を媒介とした異業種交流会という趣もあって、なかなか活気に満ちていて面白かった。

おススメ本として何を持参するかには迷いに迷った。
趣味の小説―――例えば、人が凌辱されたり、異生物に喰われたり、易々と命が失われたりする
シーンが満載なストーリの小説を紹介するのは、さすがに躊躇われた。

とはいえ、仕事柄、一般的なビジネス書のほとんどは私にとって時間の無駄でしかなく、
そんな本を読むなら洋書や文法書を読むか、もしくは単語の1つでも覚えたほうが遥に効果的なので、
紹介されるならまだしも、少なくとも自ら紹介するのだけは避けておきたい。
そう考えて、趣味と実益が混在して読みやすい、村上春樹・柴田元幸著の『翻訳夜話』を紹介した。

自分の好きな本をいかに面白いものであるか、分かりやすい言葉で噛み砕いて話すのは、
なんとまあ難しいことなのかということをまざまざと実感。
文章で書きなぐった方がはるかに簡単だった。これは大いなる反省点。

本好きの本好きによる本好きのための空間は、なかなかに刺激的で、粋なものだった。
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by worthy42 | 2009-11-03 22:17 | 一冊入魂(読書記録)

今週の読了帳(10・19~10・25)

梅田の紀伊国屋を訪れるたびに購入するかどうか悩んでいた、
敬愛するジャーナリスト、デビッド・ハルバースタムの遺作、
『The Coldest Winter, America and the Korean War』の邦訳版がついに刊行。

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アメフトの元スター選手を取材後に交通事故に巻き込まれて急逝した、
このピューリッツァー賞ジャーナリストが本作品を脱稿したのは事故の5日前だったとか。
未だ読みかけの名著『ベスト・アンド・ブライテスト』を早く読了して、
年末年始にはこの作品を愛でたい。
(しかし、よく考えたら、翻訳版を購入すると、原書の2.6倍も料金がかかるのね)


ちなみにハルバースタムの著作は、
『メディアの権力』、『さらばヤンキース』、『覇者の奢り』も未だ読みかけ。
早く目を通さなければ。

ちなみに、ピューリッツァー賞受賞作品では、
2007年の同賞受賞作、『倒壊する巨塔〈上・下〉―アルカイダと「9・11」への道』にも興味がある。


<今週の購入本>
・『Sportsillustrated NBA Preview』
・『不実な美女か貞淑な醜女か』(米原万理)
・『告白』(湊かなえ)

ちなみに、購入するかどうか迷った末に今回は保留した本は以下の通り。
・『日本はもうドイツに学ばない?―20世紀の戦争をどう克服すべきか』(川口マーン惠美)
・『男道』(清原和博)
・『合衆国再生―大いなる希望を抱いて』(バラック・オバマ)


<ただいま読書中>
・『THE ROAD』(Cormac McCarthy)
・『ベストアンドブライテスト(上) 栄光と興奮に憑かれて』(デイヴィッド・ハルバースタム)
・『スカイクロラ』(森博嗣)
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by worthy42 | 2009-10-25 02:31 | 一冊入魂(読書記録)

今週の読了帳(10・13~10・18)

今週はほとんどDVDを見て過ごしていたので、読書はあまり進まず。

<今週の読了帳>
・『ZERO(上・中・下)』(麻生幾)
評価:☆☆☆☆

公安警察の頂点に立つ秘密組織ZEROを巡る争いに巻き込まれた、
警視庁公安部の中国監視担当のウラ捜査官、峰岸は
巨大な諜報事件の中枢に単身乗り込むが・・・というスバイ小説。


文庫版とはいえ、上・中・下の三冊はさすがに長かった。
膨大な取材を必要としたのだろうなと思うほどの膨大な情報量は評価するが、
読み進めるのに苦労するほどでは些か詰め込み過ぎ。
せっかくの小説としての面白さを殺いでいる気がする。

ただ、逆にいえば、実際の国家同士の諜報戦は小説には抱えきれないほどの情報が
飛び交うものなんだろうなという思いを新たにした次第だが。


<ただいま読書中>
・『THE ROAD』(Cormac McCarthy)
・『ベストアンドブライテスト(上) 栄光と興奮に憑かれて』(デイヴィッド・ハルバースタム)
・『スカイクロラ』(森博嗣)
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by worthy42 | 2009-10-18 22:31 | 一冊入魂(読書記録)