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Back to 80's: The Classis Finals

ファイナルの組み合わせが決定。

ボストン・セルティックス VS ロサンゼルス・レイカーズ

ラリー・バードとマジック・ジョンソンというスーパースターに率いられ、
80年代のNBAを席巻した名門チーム同士の再戦は、実に21年ぶり。

が、ひとまず、東西のカンファレンス・ファイナルを振り返る。

<ウェスタン・ファイナル>
レイカーズ(4勝)○―×(1勝)スパーズ

スパーズにとっては予想外に早い敗戦だったと言えるだろうが、
チャンピオンらしからぬミスが目立ったこともまた確か。

個々の戦術や選手起用云々を説く以前に、
プレイオフを勝ち抜くためのマストな条件は、
「勝てる試合を絶対に落とさないこと」に尽きる。

初戦のアウェイ、第3クォーター残り5分の段階で
20点差のリードを保っていたにもかかわらず
そのリードを守りきれずに手痛い敗戦を喫するようでは
もはやチャンピオンチームとは言えない。

王手を掛けられた第5戦にしても
前半とはいえ20点近くのリードを奪っていたのだから
同じようなミスを2度も繰り返すようでは、早期敗退もやむなし、だ。

最低でも半分掴んでいた勝ち星を逃した初戦を確実に制しておいたのなら
その後の展開は劇的に変わっていただろうなとは確かに思う。
本来なら第5戦を迎えるときには、2勝2敗のイーブンだったのだから。

今のコービがアンストッパブルなのは周知の事実で、
ディフェンスの名手、ボーエンを以ってしても抑えるのは難しいのは自明の理だった。
だが、スパーズの三本柱の2人、パーカーとダンカンは
マッチアップするレイカーズの選手を上回る出来だったし、
特にダンカンはガソールを完全に圧倒していて、
未だにリーグナンバー1のPFの座をガーネットと争う、
非常に優れた選手であることを証明していた。

それだけに、三本柱の最後の1人、ジノビリが
不振(故障持ちだったとか)に陥ってしまったことが最後の最後まで尾を引いてしまった。

スパーズが唯一勝利した第3戦は、
ジノビリが爆発した唯一の試合(30得点)だったことを考慮すると、
このチームのエンジンでありキーマンであるのは、
ダンカンやパーカーでもなくジノビリだったことは明白だった。

いずれにせよ、勝負強いチャンピオンを第5戦で葬るとは、
どんな識者でも予想は困難だったはず。
そのことがレイカーズの今の勢いの表れでもあるのだが。

結局、スパーズの4度目の挑戦―――連覇は、またしても成らなかった。
だからこそ、来年のスパーズは恐いとは思うのだが。


<イースタン・ファイナル>
ボストン・セルティックス(4勝)―(2勝)デトロイト・ピストンズ

今季リーグの1位と2位の、事実上のファイナルともいえる両チームの戦いは、
4勝2敗の対戦成績以上に実に見応えがあるシリーズとなった。

デトロイトが制した第4戦こそ結果だけ見ると思いのほか点差がついているが(19点)、
それ以外の試合と同じように最終盤まで凌ぎを削る接戦だった。

相撲に例えれば、がっぷり四つに組み合った長相撲の果ての寄り切りというところか。

ボストンで大きかったのは、
依然として怪物じみた活躍を続けているガーネットはもちろんのこと、
セミファイナルで絶不調に陥っていたレイ・アレンがシュートタッチを取り戻したこと。
クリーブランドとのシリーズでの平均得点のほぼ2倍の得点を重ねた。

一方のデトロイトでは、
セミファイナルで怪我をし欠場していたビルアップスが復調したこと。
以前と変わらぬ輝きを見せ、際どい所での勝負強さを発揮したのは
「ミスタービッグショット」の名に恥じない活躍を見せた。

差を分けたのは、「ディフェンス意識の浸透」とだったのではないかと個人的には思う。

勝敗が決した第6戦の最終クォーター終盤、
ボストンのシュートミスを拾ったプリンスの背後から忍び寄りスティールし、
デトロイトが差を詰めるための決定的なオフェンスの機会を奪ったのは、
控えのジェームス・ポージーだった。

プリンスを筆頭にデトロイトのスタメンのディフェンスは確かにしぶとくいやらしいが、
ボストンのディフェンスは誰がコートに立っていても強烈。

「オフェンスは限られた選手にのみボールが回されるが、
ディフェンスならば自分も貢献できる」という意識が
ボストンの方がより多くの選手に浸透していたように見えた。

この手の精神論モノは大抵の場合、
試合の勝敗を決するような究極的な要素に成りえるようには見えないが、
ほんの些細な、逆説的だがそれゆえに、決定的な場面に顔を出す。

あの場面で背後からスティールを狙いに行こうという考えが浮かぶという事実が、
いかに日頃からディフェンスを念頭に置いているかを如実に表している。

ポージーはその直後、ガッツポーズとともにベンチに下がった。
その顔には自分の仕事を全うした者が見せる満足感が漂っていた。

ちなみに、敢えて言えば、もちろん、「優勝への渇望」もあるのだろうとは思う。

三本柱のガーネット、ピアース、アレンは、
10年以上のキャリアを誇り、プレイオフの出場試合数も50を超える選手でありながら、
ファイナルへ進出したことは、ただの一度もない。

かつて制した山に再び登攀しようと挑む者(デトロイトは2004年の王者)と、
10年近くの苦悶の果てに初めて未踏の頂に近づいた者(ボストン)との意識の差、
そう言ってしまえば、デトロイトの面々に酷過ぎるかな。

相手がボストンでなければ、
デトロイトは間違いなくイーストを制していた。おそらくはファイナルも。
それほどに高次元な死闘だったし、カンファレンス・ファイナルにはもったいなかった。
ルーキーのスタッキーは想像以上の収穫だったし、マクシールの未来も明るい。

ただ、それでも準優勝の翌年から、
3年連続カンファレンスファイナル敗退の事実は変わらない。
コーチのフィリップ・サンダースを代えるべきではないと思うが、
敗者には何らかのカンフル剤が必要なのもまた確か。
敗れし者の未来はいつも濁って見える。


実はいちばん応援していたのは、デトロイトでした。
スーパースターに頼らないチームつくりが好きなんですよね、昔から。
日本がお手本とすべき絶好のモデルでもありますしね。
だから、”ジョーダン・ブルズ”時代なんて、必ず相手のチームを応援してました。
これで、一番応援したチームが優勝できない歴、更新中です。残念ながら。

ま、ボストンは2番手だったんだけどね。3番手はフェニックスでした。

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断固たる意志、というやつですね。
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涙は敗者だけが流すものではないんですよな。苦節13年ですから。
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by Worthy42 | 2008-05-31 23:22 | バスキチ(NBA)

オランダ・ベルギー、ポルトガル、そして

8年前、ボンの街中にあるパブで、昼間から甘い黒ビールを堪能しながら
寂れた店内の隅に置かれたテレビで開会式に見入っていた。

数日後にはケルンのユースホステルの食堂で
ルイ・コスタ率いるポルトガルの前に屈するサッカーの母国の敗戦を目の当たりにした。

その国から訪れていたボーイスカウトの子供達は
屈辱的な敗戦を見届けるや否や、軍隊よろしく整然と去っていくのを
私は呆然としながら眺めていた。


4年前、2週間ほど滞在していた大阪のドヤ街の安宿で
昼間からワイングラスを傾け酩酊した意識の中で、
この女王陛下の国がジダンのフリーキックの前に沈んだ瞬間を目撃した。


そして、今年。
その母国であるライオンズは、本選ではなく予選でクロアチアに屈し、
その姿を見ることすら叶わない。

それでも、この4年に一度の祭典の面白さが損なわれることはない。
ワールドカップをはるかに凌駕するレベルの高い戦いが失われることはない。

今年は個人としては、クリスチアーノ・ロナウドの、
チームとしては、ドイツの大会になると言われている。

そして、私は相も変わらず、過去2大会と同様に、イタリアを熱狂的に応援する。
どんなにつまらない守備的なサッカーをして馳星周やクライフに大々的に非難されようとも、
この国に宿る勝利への拘りと守りへの美意識とその誇りを高く支持する。

チェコも結構応援する。ポルトガルもまあ応援する。ドイツも、一応いいだろう。


それにしても、8年前にケルンのユースで出会った日本人シェフからの誘い―――
よかったら今からオランダに行ってユーロを見に行きませんか?――を断ったのは、
我事ながら悔恨の一言に尽きるし、万死に値する罪深い失敗だった。

今よりも無鉄砲で勢いのあった22歳だったあの頃、なぜ断ってしまったのか。

あのときほど欧州サッカーに触れるチャンスが大きかった頃はなかったし、
濁った目ではなく新鮮な目でサッカーを俯瞰できる時期は永遠に失われてしまった。

そんな過去を思い出し、傷痕を撫でるように愛でるのも、
4年に一度だけのこの祭典の醍醐味のひとつなのだ。
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by Worthy42 | 2008-05-26 23:14 | レパバーンの夜に(サッカー)

今週の読了帳(05・19~05・24) その2

文芸は4冊。

サクサクっと読み進めましたが、
それぞれにいろいろ思わせるところがありました。

・『θは遊んでくれたよ』(森博嗣)
評価:A+

個人的な注目点は2つ。
今シリーズと前シリーズの接点はどこにあるのか、
そして、誰と誰が、どう繋がっているのか、ということ。

その関係性が徐々に見え出したというところでしょうか。

ま、もう新刊では今シリーズは終わって、
新シリーズは始まってるんだけど、
ゆっくりのんびり読み進めていくとします(笑)。


・『扉は閉ざされたまま』(石持浅海)
評価:A+

主人公である伏見亮輔が大学の同窓会で
旧友6人の中の1人を殺害して「密室」を作り上げた。

外部から部屋に入れないように偽装工作し、
扉が開かないまま事故死に見せかけた完璧なはずの計画が、
参加者の1人である碓氷優佳に1つ、また1つと見破られていく―――。

都合よく帳尻を合わせるかのようにまとめられた感はあるものの、
なかなか読ませてくれました。

個人的には殺人者の主人公には好感が持てました。
殺人の動機にではなく、その人生哲学に、ですが。

こういうピンポイント・ミステリものは
「なぜ?」の意識を排除して読み進めることが
楽しめる鉄則なのだなと思いました。


・『容疑者Xの献身』(東野圭吾)
評価:A+

福山雅治と柴咲コウ主演でドラマ化されていたので、
主人公の研究者、湯川がどうしても福山のイメージが強く植え付けられていて
作中の湯川との落差がありすぎて困ってしまいました(苦笑)。

さて、肝心の作品はというと、
中盤まではダラダラと中途半端な感は否めなかったのですが、
終盤は一気に読み耽ってしまいました。

もちろん、ある意味古典的なミステリでもあるんですが、
犯罪者・石神と湯川との友情交歓劇の側面も少なくなく、
作中の「彼に触るなっ」 「せめて泣かせてやれ」と石神を慮った
湯川のセリフに思わずもらい泣きしそうでした。


・『キャパ その青春』(リチャード・ウィーラン、沢木耕太郎訳)
評価:A

エンドレ・フリードマンの誕生から、
写真家、ロバート・キャパと改名し激貧時代から台頭するまでを追った、
キャパ三部作の第一弾。

不思議なことに、翻訳作品であるにもかかわらず、
はっきりと沢木耕太郎の空気が感じられます。

単行本に改訂したもので十分に時間を費やしたらしいが、
翻訳が初めてだというのが信じられないクオリティの高さ。

いや、しかし、沢木耕太郎のノンフィクション作品と銘打っても
それほど疑う人は多くはないのではないかという気がします。

ま、キャパ個人の印象としては
とんでもない見栄っ張りの嘘付きで無責任野郎にして、
同胞には意外に義理堅く、友人との情に厚い不思議な男というところでしょうか。

こう書いただけでも魅力があるのも当然だろうなと妙に納得させられます。

ちなみに、キャパの最愛の女性、ゲルダ・ポホリレスは、
バンディ(エンドレの愛称)がロバート・キャパと名乗ったのと時を同じくして、
ゲルダ・タローと改名しますが、
これは当時パリに住んでいたあの岡本太郎から借りたらしいです。

芸術は爆発、偉大なり、ですな。

<Now on Reading>
・『現代殺人論』(作田明)
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by Worthy42 | 2008-05-24 23:44 | 一冊入魂(読書記録)

献身

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崇高なるものには、関われるだけでも幸せなのだ。
名声を得ようとすることは、尊厳を傷つけることになる。

―『容疑者Xの献身』より
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by Worthy42 | 2008-05-24 22:47 | 美句妙文礼賛(魅惑の文言集)

今週の読了帳(05・19~05・24) その1

今週はやたらめったら様々な本を読んだので、読了帳は2回に分けて。

ライトノベル感覚で読めるものを選んだせいもあるけど、
まあ、じっくりと読む時間を作ったせいもあるんだろうな。

まあ、雑誌やらマンガやらを結構読んだし。

知らぬ間に馳星周が新刊を出していたり、
ちょこちょこと惹かれる作品が出ているので
書店を見て回るだけで楽しくて気分転換になったりする。

・『GANTZ 23巻』
評価:AA

やっぱり面白い。
初期の大仏編も傑作だったけど、この妖怪編の展開も面白い。
ヤンジャンで二度読んでも、単行本は買う(笑)。

・『多重人格探偵 サイコ 12巻』
評価:AA

凄惨な殺害シーン満載のグロイ描写で話題になった、
サイコ・サスペンス漫画の新刊。
人間の大罪が作り出す闇はどれだけ深いのか、
異常心理を勉強していたものとしては興味津々な作品です。
ちなみに初期に出てた隻眼のトガシ(だったっけ?)てリポータが好きでした。

・『Number(ナンバー) Plus EURO』
評価:AA
・『サッカーグラフィック Euro 2008 パーフェクトガイド』
評価:AA

今年はNBAファイナルが終わってもユーロがある、
それだけで今年の6月はバラ色に過ごせそう。

で、2週間後に始まるユーロ2008の特集号を2冊購入。
『ナンバー』の増刊号、『Number Plus』はサッカー特集のときは必ず買う。

もちろん、文章の読み応えがあるからなのだが、写真も素晴らしい。
今回の表紙のC.ロナウド(ポルトガル)なんて「おっ」とつい目を引く。

文章と写真の両方が優れている雑誌は、
もはやコレクションの範疇に入らざるを得ない。

というわけで、これまで買ったすべての『サッカーPlus』は1冊たりとも捨てていないし、
何年も後に読み返しても少しも色あせない。

ちなみに、今回の内容はロナウド関連の複数の記事に、
大国、注目国の特集記事。薄い冊子の名鑑付き。

『サッカーグラフィック』は数あるサッカー専門誌の中で、
近年もっとも注目している雑誌。

月間だったと思うけれど、いつも買おうかどうか迷う。
写真はナンバーに敵わないが、記事はかなり読み応えがある。

他の雑誌はゴテゴテしすぎていて、
素材という材料を入れすぎたごった煮でしかいないが、
『サッカーグラフィック』のレイアウトはシンプルで素晴らしいと私的には思う。

ピクシーことストイコビッチ(名古屋監督)監修の優勝予想、注目選手・試合に、
優勝を狙える大国の特集記事、後半は各16国の見開き4頁の名鑑。

ちなみに2誌を読んだ後の感想としては、
①個人の最注目は、C.ロナウド、②優勝候補筆頭はドイツ のようです。

ま、ユーロに関してはまた今度書きます。
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by Worthy42 | 2008-05-24 22:40 | 一冊入魂(読書記録)

The Pride

正直、告白すると、第2戦が終わった段階では、
もうスパーズは終わったと思ってました。

昨季のチャンプがアウェイとはいえ、
2試合続けて20点差近くの完敗を目の当たりにするとね。

クリス・ポール率いるヤング・ホーネッツの勢いが凄まじいこともあって、
もはや「世代交代」の感さえしていたのです。

サンアントニオの時代は終わった、と。

が、「王者は一日にして成らず」、ということなのでしょうか、
サンアントニオがなぜ2000年代の最強のチームなのか、
王者の重みというものがどういうものなのか、
若き挑戦者達に文字通り体を張って見せ付けました。

サンアントニオがアウェイの最終戦でニューオリンズを撃破。

特筆すべきは、FG%が30%台でも勝利をもぎ取ったということ。
つまり、ディフェンスの勝利ということです。

クリス・ポールへの効果的かつ決定的な対処策は最後まで見つからなかったものの、
それ以外のメンバーをそれなりにきっちりと抑え込んだのは、さすがといえます。

ニューオリンズは得点が100点を切った試合では勝率が低く、
事実、今シリーズも100点を下回った試合では全てサンアントニオが勝利しているので、
最終戦のポイントはずばり、ニューオリンズの得点をどれだけ低く抑えるかでした。

そして、このディフェンス力をここ一番で発揮できるというのが、
修羅場をくぐってきたチームならではの強みというものでしょう。

正直、いやらしいくらい強いなと思いました。

勢いのある若いチームに致命的ともいえる2連敗を喫しながら
経験を糧に立て直すというのは口で言うほど容易くはありません。

さて、ウェストのカンファレンス・ファイナルは、
これでロサンゼルス・レイカーズ VS サンアントニオ・スパーズとなりました。

ファイナル・フォーに残っている4チームの中で、
唯一のオフェンス重視型チームがレイカーズ。

これまでのシリーズでは、デンバー、ユタと
同じようなオフェンス重視のチームとの対戦ばかりで恵まれた感があるので、
チャンプの強力なディフェンスにどう対応していけるのか、見物です。

言うまでもなく、イーストはガチガチのディフェンス合戦です。
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by Worthy42 | 2008-05-21 00:11 | バスキチ(NBA)

The Moment

NBAを長く見ていると、よくこんなシーンに出くわします。

ある選手が自分のマークしていた選手にシュートを決められると、
すかさず次の攻撃でその選手を相手に1ON1を仕掛けシュートを試みます。
周りの選手も心得たもので、求められるがままにその選手にボールを預けます。

これが度を越えると、その空間だけまるで異次元のような、
2人の選手の2人の選手による2人の選手のための1ON1の攻防が繰り広げられ、
周囲の選手と観客はただ固唾を飲んで見守るような展開がごくたまにあります。

ちょうど20年前のとある試合で、
2人の選手が激しくやり合い、凌ぎを削ったことがありました。
その2人の周囲だけ時が刻まれているようで、
周囲の選手は足を止めて2人の高次元の勝負を見守っていました。

名勝負を繰り広げたのは、驚異的な身体能力で
ジョーダンすら凌駕するダンクが代名詞の点取り屋、ドミニク・ウィルキンス(47点)と、
マジック・ジョンソンとともに80年代のNBAを牽引した、
NBA史上最高の白人選手、ラリー・バード(34点)の2人でした。

それは、プレイオフのカンファレンス・セミファイナルの第7戦、
場所はボストン・セルティックスの本拠地、旧ボストン・ガーデンで。

そして、20年後の今日、
同じくカンファレンス・ファイナルをかけた最終戦、
同じくボストンの本拠地で行われた試合で、
ドミニクとバードを髣髴とさせる八面六臂な活躍を見せて
その場にいたあらゆる人の目を釘付けにしたのは、
レブロン・ジェームスとポール・ピアースの2人でした。

シュートタッチをつかめず不振に陥っていたピアースは41得点、
前の試合で復調したレブロンは45点を決めました。

何より、終止互いにマッチアップしていた2人は
相手を攻めては相手を守るを繰り返し、取られたら取り返すを貫徹し、
まるでピッチャーとバッターが対峙するかのように、
フェイス・トゥ・フェイスで1ON1を挑んでは、
どちらも引くことを潔しとしませんでした。

その瞬間だけコートで繰り広げられていたのは、
チームスポーツであるはずのバスケットというよりは、
純粋な1ON1、2人による力と力の、技と技の鬩ぎ合いでした。

ちなみに、2人の合計得点86は、
第6戦の勝者、クリーブランドの全得点(74点)を上回る驚異的な数字です。

そして、残り1分半まで1点差という激戦を制し
勝者として輝いたのは、20年前と同じく、ホームのボストンでした。

そして、待ちに待ったカンファレンス・ファイナル。
今季シーズン戦績1位のボストン対2位のデトロイト。
実質、NBAファイナルに等しい対戦カードです。

望みは、やはり第7戦の最終クォーター、
最後の1秒までの接戦を望みます。

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ピアース対レブロン。勝っても負けても2人の攻防は後世まで語り継がれるな。
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勝利の雄叫び。もっと大きな歓喜に浸るには、あと8勝しなければいけません。
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PFでここまで腰を落としてディフェンスできるか?さすが今季の最優秀ディフェンス賞受賞者。
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by Worthy42 | 2008-05-20 01:02 | バスキチ(NBA)

今週の読了帳(05・13~05・18)

基本的に好きな作家やよほどの注目作以外の新刊は買わないので
人気作品でも読むのは図書館に出回って
その人気が一通り落ち着いて借りられる頃になります。

で、先日いまさらですが、
『容疑者Xの献身』(東野圭吾)と
『扉は閉ざされたまま』(石持 浅海)を借りました。

東野圭吾はかなり久しぶりなので楽しみです。
どれくらいご無沙汰していたかというと、たぶん学生時代以来かと。

最近はどっしりと読み応えのあるものは避けたい気分です。
『JOJOの奇妙な冒険』を全巻まとめ買いしようかどうか迷ってます。
バリー・アイスラーの『雨の~』シリーズ次回作はまだかなと待ち遠しい日々です。

・『1809 ナポレオン暗殺』(佐藤亜紀)
評価:AA+

個人的には『天使』よりもこちらが好きかなという気がします。

ナポレオン占領下のオーストリア・ウィーン。
フランス軍技師、パスキ大尉は殺人の疑いを掛けられたところを
その場にいた廷臣のウストリツキ公爵に救われる。

だが、この優雅な狂人貴族がナポレオンの暗殺を企てていることを知り、
パスキ大尉はヨーロッパ全土を揺るがしかねない計画に否応なく巻き込まれていく。

『バルタザールの遍歴』や『天使』の主人公のように
異能を有しているわけでもないが1本芯の通った頑固な技師と、
明らかに頭のネジが5本はぶっ飛んでいる公爵との掛け合いが面白いです。

ウストリツキ公爵がパスキ大尉に語るその動機を聞くと、
思想的にこれは現代で言う純然たる「テロ」ではないかと思います。
(まあ、そうではない気もするんですが)

そんな背景もあるので、緊張感溢れるシリアスなストーリであってもおかしくはないのに、
この作者独特の優雅さや倦怠感と相まって妙に色気がある一方で、
悲壮感がこれっぽちもない漂っていないのは不思議というか妙味があります。

<Now on Reading>
・『容疑者Xの献身』(東野圭吾)
・『扉は閉ざされたまま』(石持浅海)
・『θは遊んでくれたよ』(森博嗣)
・『キャパ その青春』(リチャード・ウィーラン、沢木耕太郎訳)
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by Worthy42 | 2008-05-18 10:44 | 一冊入魂(読書記録)

運命の7

お次はロサンゼルス・レイカーズ。
シーズンのホーム戦績が37勝4敗(リーグ1位)のジャズの本拠地で快勝。
とはいえ、組み合わせが確定した段階で、ここまでは想定内でした。
4勝2敗というのはむしろ手こずった方かと。

しかし、カンファレンス・ファイナル出場チームが
デトロイトにロサンゼルスとは80年代の頃のようです。
これでボストンが勝ち上がれば、80年代の常勝チームが勢ぞろい。
あの頃はジョーダン率いるブルズなんてただのグッドチームでしかなかったなあ。

で、当のボストンはというと、
案の定、王手をかけた第6戦、アウェイでクリーブランドに惜敗。
これで今プレイオフのアウェイ戦績は0勝6敗の全敗(ホームでは7戦全勝)。
ちなみにレギュラーシーズンの成績は67勝15敗のうち、アウェイでは31勝10敗。
いかにこのプレイオフ、アウェイで想定外の敗戦を重ねているかの証です。

ちなみに、クリーブランドとの第6戦でのボストンの総得点は、
今プレイオフ(多分シーズン含めても)ワーストのわずか69点。
毎試合20点以上を取れそうな選手を3人も擁しておきながらこれではね。

頼れるのはKG(この試合も25点)とディフェンスだけという事実が露呈され、
安定感に欠くピアース、もはや並の選手に成り下がったアレンの2人の奮起と、
ようやく爆発したレブロンをどう抑えるのか、
その答えはボストンでの最終戦で明らかになります。

そして、昨季の王者にして2000年代の最強チーム、サンアントニオは
王手を掛けられた第6戦、ホームで20点差近く付ける快勝で逆王手。
これまた第7戦のニューオリンズでの最終戦に持ち込まれました。

このシリーズはどういうわけか接戦というものがなく、
ホームのチームが第3戦以外(11点差)の全ての試合で
ほぼ20点近い差をつけて快勝しています。

ホームコートアドバンテージが文字通りその優位性を発揮しているのは
今プレイオフ全体を通じたおそらく最も象徴的な特徴ですが、
ここまで極端なのも珍しいのではないかと思います。

その傾向に従えば、第7戦をホームで迎えるニューオリンズが
圧倒的に優位なのは間違いありませんが、
「常勝」や「王者」といった看板を背負ったサンアントニオが
(特に抑えつけられているエースのダンカンが)
その重みに相応しい意地を見せるのかどうか、
久々に見応えのあるシリーズフィナーレとなりそうです。

ちなみに、迎え撃つレイカーズの側に立てば、
点を取り合うハイスコアな展開になりそうな
ニューオリンズとの方が相性は良さそうです。

が、現在、世界で最も優れたポイントガードのポールを抑える人材が皆無なため、
いずれにしろ、苦戦は免れそうにないと思います。

サンアントニオはニューオリンズより成熟しているうえ、
ディフェンス力が明らかに上なのでやりにくいかと。
”コービーストッパー”ことディフェンスの名手、ブルース・ボーエンもいますしね。

第7戦の緊張感ってたまらないですな。ファイナル並です。
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by Worthy42 | 2008-05-17 22:04 | バスキチ(NBA)

6 Straight Years

まず抜け出したのは、デトロイト。
ホームでの接戦を制して4勝1敗でマジックを葬った。
接戦が多かったが、意外とあっさりと片付けたなと、ちと驚いた。

これで6年連続カンファレンス・ファイナル進出。
これはNBA史上4位タイ、ここ20年では2番目に長い好記録。
過去5度の内、ファイナル進出は2度(優勝は1度)。
コーチも1度変わってるんだから、これはスゴイね。

ハムストリングを痛めたビルアップスを
第5戦に引き続き、休ませたのは結果的に大正解。
もう一方のボストン対クリーブランドの一戦が第7戦までもつれたら
デトロイトは1週間の休息を得られるので
ビルアップスにとっては回復を図る恵みの1週間となりそう。

ちなみに、ボストンはこのプレイオフ、ここまでアウェイでは全敗。
第6戦はアウェイなので、第7戦が行われる可能性は小さくはない。

先日、4年前のデトロイトの優勝シーズンを追ったDVDを見たのだが、
今季はスタメン4人の顔ぶれが同じで、控えの層が厚くなり、確実に強くなっている。

ちなみに、昨季のチャンプ、サンアントニオが崖っぷち(2勝3敗)。
次戦のホームでニューオリンズに破れたら連覇の夢が潰える。
次を勝ってもアウェイで最終戦。ここまで3戦全敗なんだけど。

まさか、ね。

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ビルアップスの欠場した2試合で63得点。レブロンのここ3試合分と同じだって!
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by Worthy42 | 2008-05-14 23:46 | バスキチ(NBA)