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激情

通行人が奇異の目を私たちに向けてきた。好きなだけ見るがいい。お前たちに、
これだけ深い感情の交流が持てるか。極限状況の中で互いに信じ合える相手がいるか。
人目をはばかることなくお互いを労りあえる相手がいるか。いはしまい。いるはずがない。
だからこそ、親が子を殺し、子が親を殺す世界が出現したのだ。自分は無関係だと高を括り、
そのくせ、自分のことしか考えたことのないおまえたちがこの世界を作り上げたのだ。

―『9.11倶楽部』(馳星周)より
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(「我が子を喰らうサトゥルヌス」、ピーテル・パウル・ルーベンス)
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by worthy42 | 2009-02-28 23:17 | 美句妙文礼賛(魅惑の文言集)

ビッグマンズ・エフェクト

シーズンの残りが20試合程度になり、ホームコートアドバンテージの行方が気になるところ。

先日、久しぶりにクリーブランド(イースト1位)の試合を観たのだが、あまりの隙の無さに驚く。
ベンチを含めたメンバーの充実&ディフェンスの強固さもさることながら、
チームのムードが実に良さそうに見える。我の強い控えのザービアックですら
ディフェンスにハッスルしては味方を鼓舞する様子を見て、このチームの一体感、
ひいては優勝への強い意欲が見て取れた。

この試合ではレブロン・ジェームズが一人で12分間に20点近く得点を挙げるという
神業をたまたま目撃して思わず総毛立ったのだが(こんなのは何年ぶりだ)、
それ以上に目を引いたのは、怪我から復帰したセンターのイルガウスカス。
典型的な欧州選手らしく元々シュート範囲の広い選手だったが、
気がつけばスリーポイントまで楽に打てるようになってる。
ジェームズの負担を軽減させるだけではなく、ジェームズとは違ってヒールに徹することもできるし、
こういう無骨なベテラン選手は若い大スターが柱を務めるチームには欠かせない。

そのクリーブランドが2年前のファイナルで敗れたサンアントニオとの再戦で、
ダンカンを欠くサンアントニオ(ウェスト2位)に大勝。ま、ジノビリも故障中のスパーズは、
いわば飛車角を欠く陣容で、まあ負けるのは致し方ないところだが、
再びファイナルで相見える可能性もないではないので、対策を練っておきたいところ。

ビッグマンといえば、シャキール・オニール。
オールスターMVPに選出されて気を良くしたか、昨日のトロント戦で45点、11リバウンドの大暴れ。
40点以上となるとなんと2004年以来6年ぶりで、シャック自身としては49度目の40点プラス。
もうすぐ御年37歳になるこの御仁は今季、調子がすこぶるいいのは知っているが、
まさかこれほどの活躍を見せてくれるとは、完全に想定外。今季一番の驚きだ。

同じビッグマンで欠場中のケビン・ガーネットの代わりにボストンが動いた。
FAのPF、ミッキー・ムーアと契約したのが補強の穴埋めの第一弾。
さらに、長らく囁かれていた問題児、ステファン・マーべリーとも契約。
実に1年以上ぶりの(!)公式戦出場となるマーブリーはデビュー戦で14分間出場し、
8ポイントの上々の滑り出し。さすがアイバーソンと新人王を争った元スターだけあって、
その才能はまだ廃れていないよう。残るはシュート選択の悪さとエゴの強さをどう改善するか。
とはいえ、スタンディングオベーションに包まれて登場した時の
ステファンのはにかんだ、心から嬉しそうな表情は、見ていてとても清々しかった。

ちなみに、デトロイトがまさかまさかの8連敗で、勝率がついに5割を切る。
ビルアップスを放出してアイバーソンを獲得したトレードは完全に失敗した様子で
毎年勝率が7割を超え、カンファレンスファイナルの常連だったチームも瓦解。
デトロイトのフロントもまさかビルアップス1人を放出しただけで
これほどの惨状に陥るとは思いもよらなかったに違いない。
ビルアップスが加入したデンバーが躍進を遂げている状況を比較すれば、
ポイントガードがチームに与える影響がどれだけ大きいのかの好例といえる。
(ま、個人的には、コーチ交代が凶だったとみているのだが)。

このまま行けば、ボストンVSデトロイト(昨季イースタン決勝)、
クリーブランドVSデトロイト(一昨季イースタン決勝)、なんて贅沢なカードが
プレイオフのファーストシリーズから実現しそう。ああ、もったいない。
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by worthy42 | 2009-02-28 22:44 | バスキチ(NBA)

今週の読了帳(02・16~02・22)

土日も根をつめて仕事をしているので、最近は息抜きにお風呂で本を読んでいる。
不思議なことに湯船に浸かって本を読むとき、本の種類を意外と問わないことに気がついた。

ミステリでもノワールでもノンフィクションでも何でもこいという感じで、
ちなみに今は上杉隆の『官邸崩壊―安倍政権迷走の一年』を読んでいるところ。
この分なら長らく手つかずの積読本に挑戦できそうな気がしないでもない。


<今週の読了本>
・『桜庭一樹読書日記―少年になり、本を買うのだ。』(桜庭一樹)
評価:☆☆☆☆

タイトル通り、作家・桜庭一樹の読書日記。
無類の本好きだなあと心から感心させられつつ、とにかく読んでて楽しい。
いろんなタイプの本に手を出し、それを恐るべきスピードで読破していく。
読んで、悩んで、書いて、また読む、そんな桜庭的な生き方が羨ましい。

・『カラット探偵事務所の事件簿1』(乾くるみ)
評価:☆☆☆

上の『桜庭一樹読書日記~』で書いてあったので読んでみた。
新聞社を退職した俺は高校時代の友人に誘われて探偵事務所に入所した。
その探偵事務所はちょっと変わっていて、「謎解き」専門で・・・。

読みながら感じた違和感を軽~く受け流していたら、
「ああ、そうだよね、やっぱり」というオチ。でもこの読後感は清々しくていい。


<ただいま読書中>
・『官邸崩壊―安倍政権迷走の一年』(上杉隆)
・『国家と人生 寛容と多元主義が世界を変える 』(佐藤優、竹村健一)
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by worthy42 | 2009-02-23 00:16 | 一冊入魂(読書記録)

野戦病院

2月19日はトレード期限だった。

優勝を狙うチームは最後のワンピースを加えるために新しい選手の獲得に打って出るのだが、
今季はトレードが有力視されたスター選手たちが軒並みチームに残留して、
優勝圏内にいるチームでは、PGネルソンを怪我で失ったオーランドが
ヒューストンから正PGのレイファー・アルストンを獲得したのみ。

その代わり、と言っては変だが、怪我人がぞろぞろと出始め、
さながら野戦病院の様相を呈してきた。

重傷者は、アマレ・スタウドマイヤー(フェニックス)とトレーシー・マッグレイディ(ヒューストン)。
アマレは不運にも試合中に右目を突かれて網膜はく離手術を行うことになり、
おそらくシーズン終了まで欠場することが濃厚。
不振にあえぐフェニックス(ウェスト9位でプレイオフ圏外)は、コーチの交代で
昨季までのラン&ガン・スタイルに戻して2試合連続140点台で圧勝と、
光明が見えてきたさなかでのエースの離脱。プレイオフは風前の灯、か。

マッグレイディは左膝の手術を行うことになり残りのシーズンの欠場が決定。
マッグレイディについては何の不思議もなく、「ああ、やっぱりね」、の印象。
今季は不調でトレード候補にも上がっており、もはや完全にスターの後光が消えてしまった。
ヒューストンの優勝の芽も完全に消えた。

特に悲惨なチームは、エース2人を怪我で欠いたインディアナ。
ダンリービーJrにオールスター選手のグレンジャーという両輪を失うことは、
飛車角金銀にさらに桂まで欠いた状態と同じ。ご愁傷様と言うしかない。

優勝圏内にいるチームのなかでは、ジノビリ(サンアントニオ)とガーネット(ボストン)。
ジノビリは右足首で2、3週間、ガーネットは右膝でとりあえず数試合は欠場の可能性も。

こうなると、FA選手との契約がカギになるが、どう策略を練るか見ものです。
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by worthy42 | 2009-02-21 10:31 | バスキチ(NBA)

Reunion in Phoenix

地元から選出された大御所、シャキール・オニールの
エンタメ精神に満ちたダンスから始まったNBAオールスターゲーム in フェニックス。
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まずは上の選手紹介時のシャックのホストぶりを堪能されたい。

んで、オールスター・ハイライト

ちなみに、外野スタジオでは酔っぱらったおいちゃんのようにハイテンションで盛り上がってる。
今年前半の好プレイベスト10はこれ。ただし、若干のお笑いテイスト有り。

MVPはシャックとコービのレイカーズ三連覇時代の両エースがW受賞。
ま、こういうなかなか気の利いた選出もいいね(←不仲なので)。

さ、いよいよ後半戦開始です。
何気に、地元フェニックスのコーチ、テリー・ポーターが解任されました。
地元でのお祭り騒ぎの陰での解任劇。こういうところが残酷というか、冷徹というか。
プロフェッショナルとはこういうことを言うのでしょう。
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by worthy42 | 2009-02-16 23:32 | バスキチ(NBA)

Dunk you very much!

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浮かれ浮かれの ALL STAR WEEKEND。
金融危機などどこ吹く風。これもアメリカの断片。
(ただ、前夜祭のスタジオのメインスポンサーがヒュンダイだったのに驚いたが)

NBAオールスターウィークエンド。
昨日はルーキー(1年目)VSソフォモア(2年目)の試合、
オールスターサタデーの今日は、スリーポイント・コンテスト、ダンク・コンテスト、
シューティングスターズ(現役、OB、女子選手が1チームでシュートを競う)、
スキル・チャレンジ(PGのボールハンドリングを競う)が行われた。

ダンク・コンテストのチャンプは175センチのネイト・ロビンソン(←私よりも小さい)。
昨年のチャンプ、ドゥワイト・ハワード(211センチ)を上から飛び越えてダンク。
NBA最低身はスパッド・ウェブ(170センチ)だが、それに勝るとも劣らぬ衝撃的なダンク。
人間ってどれだけ跳べるのかと、人間の秘めたる可能性と神秘について考えさせられた。

Watch this NBA All Star 09 Dunk Contest Champion

オールスター本戦は明日です。
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by worthy42 | 2009-02-15 20:06 | バスキチ(NBA)

今週の読了帳(02・08~02・15)

ストレスが溜まってくると本に散財したくなるが、
とりあえずは仕事が一段落したら買い漁ろうと心に決めている。
買いたい本を考えることがストレス発散だったりする。

忙しい時に限って本が読みたくなるのは、要は、逃避なわけだが、
今週は久々に明け方まで読み耽って、かなりの時間を読書に充ててしまった。


<今週の読了本>
・『狼の夜―TV局ハイジャック (上・下)』(トム・エーゲラン)
評価:☆☆☆

ノルウェーのテレビの人気討論番組に招かれたチェチェン人亡命者たちが
突如、スタジオにいる人々を人質にして立て籠った。
武装した彼らは生中継で非現実的な要求を叩きつけ、
指定した時間までに要求を呑まなければ人質の殺害を予告する―――。

チェチェン問題を考えさせられるだけでも読む価値はあった。
実際に、この手の汚いやり口は世界中の至る所でまかり通ってそう。
何が真実かそうでないか、きっと人は本質的には無関心なのだと思った。

・『MM9』(山本弘)
評価:☆☆☆☆

地震や台風のように「怪獣」による災害が多発する現代の日本。
そんな怪獣による被害を最小限に抑えるために奔走する
「気象庁特異生物対策部」の活躍を描いた、SF怪獣作品。

心情的には5つ星でもいいかなと思ったほど楽しく読めた。
子供の頃、怪獣や妖怪に憧れていたので(いまでもUMAには心躍る)、
この手の作品は読みたくてたまらなかった。続編を心待ちにしたい。
ちなみに、MMとはモンスター・マグニチュード。なるほど。

・『9・11倶楽部』(馳星周)
評価:☆☆☆☆

最初の方は「これは馳星周の新境地か?」 と疑ってしまうほどのまっとうさ(=毒の薄さ)。
主人公はサリン事件で妻子を失い、絶望の中、消防士から救命士に鞍替えした中年男性。
だが、亡くした息子たちと同じ年頃の不法滞在外国人の孤児たちを助けようとしたことから、
馳作品ならではの「転落物語」の歯車がかみ合い、男は破滅へとひた走る。

とは書いたが、これは馳作品の中で一番、読後感が良かった(あくまで馳作品の中で)。
それが物足りないという気もしないではないが、破滅的な音色のなかに
かすかな達成感(希望ではないが)が残響として混じり合っていて心地よい。
一方で、当然のように、清濁併せ持つ残酷で悲劇的な音を奏でるもので、
それはそれで、新宿を舞台にした音色ならではという気もした。

・『サクリファイス』(近藤史恵)
評価:☆☆☆☆

自転車ロードレースを舞台にしたスポーツミステリ。
ツール・ド・フランスを観てみたいと願うファンとしてはこの設定だけでも嬉しい。

ロードレースにはそれぞれの選手に役割があって、
サッカー、バスケットのようにピッチやコートに立てば脚光を浴びるというものではなく、
エースを補佐するアシスト役は生涯、表舞台で称賛されることはほとんどない。
トップを狙える位置で走っていてもエースの自転車がパンクすれば
自らの自転車のタイヤを差し出してリタイヤしなければならないこともある。
この競技ならではのそんな役回りの残酷さを上手く突いたミステリだなと思った。

主人公がややおセンチすぎるのもグッド。


<ただいま読書中>
・『官邸崩壊』(上杉隆)
・『激流中国 NHKスペシャル取材班』
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by worthy42 | 2009-02-15 18:59 | 一冊入魂(読書記録)

グリーンとブルーと

十年来、ガングリオンという良性腫瘍が周期的に右手首にできて折を見て取り除いているのだが、
先週から神経を圧迫しだして酷く傷むので、病院で除去してもらいに行ってきた。
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これは吸引前。

初めてできたときは高校生の頃で、注射器で吸引してもらったものを見せてもらうと
エメラルドグリーンのゼリーで、痛みとの対照的な美しさに思わず見惚れたことを覚えている。

最近では腫れ上がった大きさの割にはしっかりとした物質状のものが吸引できなくて、
今回の吸引でも見た目にはあまり取り除かれなかったよう。

永久的な根治は難しいといわれたのだが、
吸引ばかりしていると後遺症が残る可能性があるらしく、手術を考えている。
が、問題は、手術をしても再発する場合が多いということ。
メスを入れてもまた吸引する羽目になっては元も子もない。
とりあえずの痛みの若干なくなったが、またすぐに悩まされることになりそう。

閑話休題。

先日、久々に日本代表の試合(対オーストラリア)を真面目に見た。
正直、今の日本がどれだけ強いのか分からないので、0-0の予想をしていた。

結果は0-0だったのだが、予想していた見せ場のない引き分けではなく、
思いのほか、内容は悪くなかった(むしろ良かったといえる)ので、少々驚いた。

限界を思い知らされた一方で、可能性も感じさせた。

ただ、このレベルではドイツW杯と同じようなレベルのチームと同組で、1勝できるかどうか。
全敗さえ予想した前回と比べると、わずかながらも確実に進歩したとは言えるのだが、
目標のベスト4なんて、たとえヒディングを雇っても到底不可能。
いや、それでも、ヒディングを雇った方がまだ奇跡を望めそうだが。

あと1年半ほどあるのだが、現実的な結果がもうすでに見えてきた気がする。
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by worthy42 | 2009-02-15 12:55 | 情熱と怠惰の断片(日記的)

今週の読了帳(02・02~02・07)

新書チェック。

・『アダム・スミス―「道徳感情論」と「国富論」の世界』(堂目卓生)
・『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(湯浅誠)
・『ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉』(吉見俊哉)
・『グローバル恐慌―金融暴走時代の果てに』(浜矩子)
・『アフリカ・レポート―壊れる国、生きる人々』(松本仁一)
・『外国語学習の科学―第二言語習得論とは何か』(白井恭弘)

とりあえず、上3冊は評判がいいようなので購入予定。
『アフリカ・レポート~』はあの『カラシニコフ』の作者だと。これも要チェック。

ちなみに、「山偵(←誰って感じだけど)」として親しまれた「伝説(らしい)」の参考書、
『新々英文解釈研究 <復刻版>』と『新自修英文典 <復刻版>』を買おうか迷っている。
装丁がとてもクラシックで魅力的。まあ、どうせいずれ買うんだろうけど。


<今週の読了帳>
・『ルポ 貧困大国アメリカ』(堤未果)
評価:☆☆☆☆

優れたルポである以上に、書かれていること自体が非常に衝撃的。
これは遠い彼方の独裁国家の圧政下における国民生活ではないのかと思ってしまうほど、
常日頃抱いている「アメリカ」のイメージとは天と地ほどにかけ離れている。
私が住んでいた99~00年にも現在の窮状の僅かな兆しがあったのかと自問するも、
アメリカの片田舎で日々浮かれていた若造には微塵足りとも浮かばない。
最後の日本の憲法を持ち出した持論展開が余計だったが、
それを差し引いても類まれな事実を余すところなく記した貴重なルポルタージュ。


<現在精読中>
・『ベスト&ブライテスト(上)』(デイヴィッド・ハルバースタム)
・『THE ROAD』(CORMAC McCARTHY)
・『現代ドイツ 統一後の知的軌跡』(三島憲一)
・『狼の夜(上)』(トム・エーゲラン)
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by worthy42 | 2009-02-07 22:30 | 一冊入魂(読書記録)

Mr. Everything is here

Kevin Garnett Journey 1

Kevin Garnett Journey 1

Kevin Garnett Journey 3

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by worthy42 | 2009-02-05 22:36 | バスキチ(NBA)