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久方ぶりの読了帳(08・24~10・11)

1か月以上ぶりの読了帳。

相も変わらず忙しく、日々慌ただしく過ぎていく。
読書の時間だけは何とか確保している。

今の仕事に就いて早丸三年を迎えようとしていて、
最近では課題と仕事との両立に時間を割く毎日。

三年たって今更ながら痛感するのは、
「読む」ことと「訳す」ことは、まったく似て非なるものなのだなということと、
一定の語学力を前提とすれば、必要なのはむしろ「日本語を書く力」であるということ、
読むスピードよりも、訳を書き出す(打ち出す)スピードの方が必要であるということ、
そして、新書で仕入れた知識だが、入力する(打ち込む)スピードを上げるためには、
入力する量を減らすことが確かに一番合理的であるように思われるということ。

英語は勿論のことだが、当たり前のように日本語の文章を読み(新聞、ネット記事)、
当たり前のように日本語の文章を書けるようでなければ(メールや報告書、企画書)、
この仕事はおぼつかない。

―――そんなことを考えつつ、いそいそと読書に勤しんでいる。

ぼちぼち年末年始に読み耽る恒例のまとめ買いの季節だが、
さてはて何にしようか、と、思案中。

アマゾンのプチ・ヘビーユーザなので、ポイントが2000円以上たまっていて、
何に使おうかとも悩んでいるところ。

最初は、Gary Shteyngartの
『Russian Debutante's Handbook』と『Absurdistan』、
Jonathan Franzenの『The Corrections』の3冊にしようかと決めていたのだが、
辞書にしようか、はたまた、和書にしようか、と揺れてきた。

<最近の購入本>
・『大聖堂(上・下)』(ケン・フォレット)
・『カラマーゾフの兄弟1(新訳)』(ドストエフスキー)
・『ジェイクをさがして』(チャイナ・ミエヴィル)
・『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(大原ケイ)
・『インパラの朝』(中村安希)
・『希望難民ご一行様 ピースボートと「承認の共同体」幻想』
                        (古市憲寿 解説と反論 本田由紀)

<最近の読了帳>
・『わかりやすく<伝える>技術』(池上彰)
評価:☆☆☆

当たり前のことが丁寧に書かれている。私のように四六時中机に座って、PC
画面と文書とを見比べているような仕事には必須というわけではないが、
それでも「伝える」ということは、多かれ少なかれ重要なスキルであることを
改めて実感させてくれる。


・『ルポ貧困大国アメリカII』(堤未果)
評価:☆☆☆☆

アメリカの知られざる貧困ぶりを描いた前作『ルポ貧困大国アメリカ』第2弾。
教育、年金、医療、さらには刑務所までもが民営化されたが故の「地獄」と
言っても過言ではない過酷な世界が余すところなく描かれている。良作。


・『日本人へ  リーダー篇』(塩野七生)
評価:☆☆☆☆

そもそもの前提として、1500年以上前の西洋人の世界観や政策等で
現代の時事ネタを斬って、共通点や違いを見出して・・・なんて、
はたして意味はあるのだろうかという疑念を消せないでいるのだが、
それでもこの著者の『ローマ人の物語』のファンなので楽しく読む。
キリリと鋭い。


・『ルポ 電子書籍大国アメリカ』(大原ケイ)
評価:☆☆☆☆☆

私はネットで記事を読むのにはさほど苦労しないが、それでも、「書籍」となると、
眼精疲労ゆえに自ら白旗を上げるだろうと確信するほど、ネットで長時間の読み物は
耐えられない。それでも著者は、(ゆっくりと大事に育てていけば)、
電子書籍のシェアは確実に増えていくだろうと述べている。
そんなアメリカの最前線の電子書籍事情が、NY在住の文芸エージェント、
大原ケイさんによって綴られている。ホームページはBooks and the City


・『鉄鼠の檻』(京極夏彦)
評価:☆☆☆☆☆

拝み屋VS修行僧。
異様な舞台(寺)で対極に位置する者同士の対決は抜群に面白かった。


・『絡新婦の理』(京極夏彦)
評価:☆☆☆☆☆

シリーズが深まるにつれ、ミステリ感も増大。
京極堂、木場、榎木津ら主要キャスト(関口を除く)も見せ場も秀逸で、
どっぷりと京極ワールドに浸ってしまった。
とても流麗な日本語で書かれているのに、
読み耽っていると、無性に退廃的な気分にさせられてしまう。


・『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女(上・下)』(スティーグ・ラーソン)
・『ミレニアム2 火と戯れる女(上・下)』(スティーグ・ラーソン)
・『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士(上・下)』(スティーグ・ラーソン)
評価:☆☆☆☆☆

『ミレニアム1』を読んだのは、昨年末だったか、
正直、様々な書評で賞賛されていたほどには面白くなかった。

だが、この夏に読んだ『ミレニアム2』と『ミレニアム3』には興奮させられた。
『1』で、主人公の一人、ジャーナリストのミカエルの命を救ったもう一人の主人公、
リスベットの出生と人格形成に纏わる秘密が『2』と『3』で明らかにされるが、
それは国家を揺るがしかねない30年に及ぶ陰謀の一端でしかなかった・・・。

敵、味方、様々な登場人物の心情が描かれているせいもあって、
感情移入がしにくいことこの上ないし(おまけに名前が判別しづらい)、
いささかご都合主義な感が否めない点が割とあるけれども、
それを差し引いても、物語の展開は劇的かつスピーディーで、
ぐいぐいと惹きつけられた。

ただ、『1~3』で4人もの女性とベッドを共にするミカエルの軽薄さと、
寝物語でも秘密を漏らさない堅い職業的良心とのギャップには笑わされた。

非社会的人格のリスベットや、編集長のエリカと言い、
主要キャストのぶっ飛び具合が潔くて良い。今年のベスト10に入る作品。


<ただいま読書中>
・『LIMIT<1>』(フランク・シェッツィング )
・『語学力ゼロで8ヶ国語翻訳できるナゾ どんなビジネスもこの考え方ならうまくいく』(水野麻子)
・『ラスト・チャイルド』(ジョン・ハート)
by worthy42 | 2010-10-12 00:11 | 一冊入魂(読書記録)
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