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オリンピック雑記(5)

もはや他にこれといって注目すべき同胞競技のないなか、
快進撃を続けるなでしこジャパンの記念すべき準決勝を心待ちにして観ました。

が、中国戦とは打って変わって、非常に残念な試合内容でした。

1点先取し大金星を予感させながら残り5分間で2点奪われた前半ではなくて、
ほとんど攻めることができなかった後半が特に悲惨でした。

特筆すべきはベンチの腰の重さと迷走ぶり。
この致命的なベンチワークのミスで試合を落としたようなものです。

前半奏功した高い位置からのプレスがまったく効かずに
守備に奮闘したフォワード2人も明らかに疲労の色が濃く、
ディフェンスラインが後退し、徐々に攻め込まれて3点目を奪われる気配が濃厚のなか、
何も手を打たずに案の定、3点目を取られて大勢が決してしまいました。

結局、その直後にフォワード2人、荒川と丸山を立て続けに投入する始末。

中盤から後ろの守備陣が猛攻に晒されていたので、
早い時間帯で交代させにくかったのはよくわかりますが、
同点ではなく、負けていたのだから、先手を取って攻撃の意識を高めるべきでした。

1-3の段階で攻撃の選手を投入するよりも、
1-2の段階で攻撃の選手を投入する方が
「点を取りに行く」という意識をより明確に選手に伝えられるからです。

第一、格上相手に3点目を取られてしまっては、もはや敗色濃厚。
そのあとに慌てて攻撃選手を何人投入しようとも、
負け戦気分が抜けるわけはありません。
どうせ3点目を奪われるなら、攻勢に仕掛けてからのほうが諦めがつくってもんです。

今まで20戦して一度も勝てない相手なんだから
チャレンジャーとしてあれこれ手を尽くすべきなんだけどなあ。
挑戦者として格上の相手に対峙しているのに、
点を取られてからしか動けないのが情けないの一言に尽きます。

後半の2失点はキーパーの明らかミスですが、
この試合の戦犯は、選手起用も含め、コーチの方にあります。


それと、もうひとつ。
これも男子のコーチにも共通する課題のひとつなんですが、
ドリブルの上手い選手、ドリブルに特化したウィング然の選手を
使いこなすのが恐ろしく下手すぎます。もう、犯罪的と言っていいほど。

3点目の気配が漂いだした後半残り30分、
一人で局面を打開できるドリブルに優れた丸山を出すべきでした。

サイドバックの上がりが極端に減ってきたため
日本はなかなか攻撃の形が作れなくなり、中盤以降ボールを前に進めない状況で
必要なのは独力でボールキープでき、前に進むことのできる人材でした。
世界でも有数のドリブラーである丸山をこの段階で出しておけば、
ボールキープの時間が増え、猛攻に晒される時間帯も当然減るため、
理論上は、3点目を奪われる時間はもっと遅くなっていたはずです。

おまけに投入した丸山をサイドハーフのようなポジションでプレイさせたため、
なかなかボールに触れずに、ペナルティエリアから遠い位置で右往左往するばかり。
まったくと言っていいほど米国の脅威になりえず、
これではいったい何のための起用だったのかと、正直、指揮官の無能さを呪いました。

案の定、後半終了間際、ペナルティエリア付近でプレイした丸山は
相手2人をゴボウ抜きしてサイドを悠然と突破し、2点目のパスの起点となりました。

ドリブルの上手い選手は相手が疲れた後半に投入するのが確かに効果的ではありますが、
1点を追う展開ではなく、先に1点を奪おうとする段階で使おうという発想がないのでしょうか。

(終了間際に)起用しても失点を恐れて下がり目の位置でプレイさせるのではなく、
下手な守備には目を瞑って失点の危険を顧みず前のどっしりと張らせ、
ボールを預けたらとことん勝負させる、それくらいの覚悟がなければ、
アップセットなんてできないと思うんですけどね。


中国戦がものすごくいい内容だったので、
この試合は怒りを通り越して泣きたくなるくらい、失望しました。
それも選手ではなく、コーチに。

最終戦の3位決定戦はアメリカより遥かに格上のドイツ。
希望としては、丸山を先発に起用して、
得意のドリブルでディフェンス陣をかき回してキリキリ舞いさせたい。

波乱を起こすのに必要不可欠な条件は、なんといっても「先手必勝」なのですから。
くれぐれも敗色濃厚になってから起用するのはだけは止めてほしいものです。
by Worthy42 | 2008-08-19 00:44 | ひとときの残滓(スポーツ)
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