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今週の読了帳(02・23~03・01)

忙殺された1か月がなんとなく不完全燃焼で終わる。
整理し難いやるせない気持ちになって同僚と痛飲して帰宅したら午前4時前だった。
(ちなみにその居酒屋には露鵬が奥さんだか婚約者だかと一緒に呑んでいた)

そんな心情だったので奈良への小旅行に行く気になれず、
本への散財も少し抑え目に文庫・新書ばかりを購入してしまった。

<今週の購入本>
・『鴨川ホルモー』(万城目学)
・『ローマ人の物語 (1) ― ローマは一日にして成らず(上)(下)』(塩野七生)
・『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(湯浅誠)
・『ポスト戦後社会―シリーズ日本近現代史〈9〉』(吉見俊哉)
・『ジャーナリズム崩壊』(上杉隆)


塩野七生のローマ本は以前から気になっていたのだが、試しに買ってみた。
このシリーズは文庫本で15冊ほどあるみたいなので、面白ければコンプリートするつもり。

『ジャーナリズム崩壊』は『官邸崩壊』を読んでこの著者ならと思って購入。
著者が以前勤務していたニューヨークタイムズと日本の新聞を比べるのは、
バルセロナやレアルマドリーと日本のJリーグのクラブを比較するようなもので
フェアではないという気もするけれど、読んで考えさせられることは多々あった。


<今週の読了本>
・『官邸崩壊―安倍政権迷走の一年』(上杉隆)
評価:☆☆☆☆

もう、これは読んでいただくしかない。
書かれていることすべてを鵜呑みするわけにはいかないが、
これが我々国民が選んだ政治家なのだ、この程度なのだ、と
語るにバカバカしい事実を事実として認めるしかほかにない。

ちなみに、ハルバースタム(元ニューヨークタイムズ)の書き方を踏襲しているようで、
個人的には臨場感が醸し出されていて、このスタイルは好きだ。


・『ジャーナリズム崩壊』(上杉隆)
評価:☆☆☆☆

先に書いたとおり、世界のメディアの盟主を自認するニューヨークタイムズを引き合いに出して
極東のサラリーマン記者や記者クラブ等のシステムを斬るのは些か公平さに欠けるところもある。
ただ、私自身、日本に「ジャーナリズム」などほとんど存在しないに等しいとは思っていたので、
著者の主張と世界と日本とのあまりの落差には賛意と驚きを隠さずにはいられない。
特に慣れ合いに端を発する「徹底した批判精神の欠如」と「言葉だけの客観的な報道」には
日頃からもう怒りを通り越して呆れるほかはなかったので、我が意を得たりと激しく同意する。

そもそも日本には専門的にジャーナリズムを学ぶ大学の学部がない(少ない)のが現状で、
世界中のメディア人が休養を取って学びに来るアメリカの大学ジャーナリズム学とは大違い。
私が留学していた大学のジャーナリズム分野は全米で屈指だったらしく、
受講を申し出たらジャーナリズム分野での経験がないからと受講の許可を貰えなかったこと、
授業を受けていた友人の一人がイタリアのTV局の女性ディレクタだったことを思い出した。

いずれにせよ、読むに値する一冊ではある。


・『喪失』(カーリン・アルヴテーゲン)
評価:☆☆☆

18歳で富豪の家を飛び出してホームレス同然の生活を十年以上続けているシビラは
ふとしたことで連続猟奇殺人事件の犯人と間違われ、警察に追われてしまう。
覚悟を決めた彼女は過去とも向かい合うべく、仕組まれた事件の謎に挑む・・・。

ストックホルムを舞台にしたスウェーデン人作家による2000年ベスト北欧推理小説大賞受賞作。
桜庭一樹の読書日記で紹介されていたので読んでみた。

北欧の作家のミステリは何と言うか独特の間合いと語り口を持っていて、
これもその典型的な一冊のような気がする。


<ただいま読書中>
・『鴨川ホルモー』(万城目学)
・『国家と人生 寛容と多元主義が世界を変える 』(佐藤優、竹村健一)
by worthy42 | 2009-03-01 14:39 | 一冊入魂(読書記録)
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