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滅私奉国の戴冠

ネットの更新を逐一チェックしていたので、今日はまるで仕事が手に付かなかった。
こういうときは、四六時中テレビがつけてあるマスコミの職場が懐かしくも羨ましい。

さて、やはりというか、がっぷり組めば、日本はさすがに強かった。鳥肌がたつほどに。

残塁が多くて韓国に付け入る隙は充分にあったと思うが、
近年の日本人には珍しい、勝負に拘る鬼気迫る迫力が韓国のお株を奪った感さえした。

北京五輪と違って、原監督が最後まで信念を貫き通したことも大きい、か。
準決勝と決勝で起用した投手は延べ7人。
そのうち、杉内とダルビッシュを中継ぎと抑えで両方の試合で起用した。
涌井や渡辺俊、小松はもちろん、絶対的な抑えのエースと目された藤川さえ出番がなかった。

選手のコンディションはどうだったのかは分からないが、
国際大会で、しかも普段の起用方法が異なる投手をこれほど固定するのは珍しい。
ただ、首尾一貫していた起用法は、結果としては奏功した。
延長10回はさすがに藤川投入だろうと読んでいたのだが、
ダルビッシュを続投させ、あくまで力任せに抑えに行かせたのには、さすがに驚いた。

このあたりの起用の是非はどうしても結果論にならざるを得ないのだが、
信念を以ってこの手の「賭け」を貫き通せるのは監督としての若さ故かという気がしないでもない。
ただ、「もっとうまい監督さんなら、もっとたくさんの点を取ってあげられたのだろうが」との
原監督の率直で謙虚なコメントにはかなりの好感をもって受け止めた。
この監督はもしかして稀代の名将になるのかも、との期待とともに。

個人的には、MVPは松坂ではもちろんなく(昨日の出来さえもう少し良ければ・・・)、
岩隈や杉内、あるいは中島や川崎、内川、青木にも受賞させてあげたいのだが、
一人だけ挙げるとしたら、やはり、最強の投手陣をリードしたキャッチャーの城島に与えてほしい。

野球はなんだかんだ言っても投手力が勝敗の大きな鍵を握るスポーツ。
田中やダルビッシュらの若手から主戦の松坂、岩隈まで一手に引き受けるだけではなく、
経験に裏打ちされた変幻自在の絶妙な手綱さばき(特に松坂と)でリード。
影武者ながら打撃の不調を補って余りある貢献をしたと個人的には思っている。

メジャーではリードの権限は圧倒的にベンチにあるとされるため、
持ち味が封印されてしまい、日本で見せたほどの活躍をあげられてはいないが、
さすがに工藤公康の薫陶を受けただけはあって、偉大なキャッチャーだなと再認識した。

イチローについては、特にいうことなし。というか、何をいえばいいのだろうか。
ジャパンで一手に引き受けたリーダーシップをマリナーズで獲れば優勝できるかもよ、くらい。

ただ、決勝タイムリーの後に平然と三塁に盗塁を決めたのはとてつもなく素晴らしかった。
昂揚したに違いない気持を瞬時に押し留めて、野球の原則に従って相手の急所を突く。
あの一瞬にだけは、イチローのイチローたる所以が余すところなく凝縮されていたように思う。

とはいえ、鍵となったのは我を超えて結集したチームの一体感。
村田の離脱もかえってチームのムードを結束させた、か。
「孤高の人」イチローですら率先してチームに溶け込む一体感こそが、
よくよく考えれば、日本をチャンピオンたらしめた一番の要因なのかもしれない。

初スタメンを問われて返した川崎の言葉が心に沁みる。

「いつも東京ラウンドからですね、ベンチでも試合に出てたんで、
特にスタメンという意識はしていません、ベンチでも試合に出てました」

勝利のためならば、滅私奉国。


最後に、五輪で野球競技が失われた以上、このWBCこそが唯一の世界大会であるため、
隣国が5度も対戦するようなグループ分けではなく、
願わくば、もっと異大陸の国同士の対戦が必然的に組まれた組み合わせであってほしい。
それこそが野球の理解と発展につながり、五輪における野球復活の狼煙となるのだから。

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イチローでさえ、ダルビッシュでさえ、こんな顔して笑うのね、的な。
by worthy42 | 2009-03-24 23:04 | ひとときの残滓(スポーツ)
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