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For Love of the Book

先週から慣れない契約書の翻訳に悩まされ、自分で設定していた納期を逃した。
自分のスケジュールのための締切で、それほど急ぐ案件でもなかったのだが、
金曜日にはその件で韓国のクライアントと電話会議が予定されているので、
明日の午前中には仕上げて、契約書の内容を頭にたたき込んでおかねばならない。
が、余程ストレスがたまっているのか、持病と化した偏頭痛に酷く悩まされている。


先日、昔の上司(もうすぐ60歳)から小倉でショットバーを開いたから立ち寄ってと電話があった。
私がかつて贈ったランプをインテリアに使わせてもらってるからと、
(失礼ながら)贈った本人すら覚えていないことを言われて戸惑いつつも嬉しかった。

比較的新しい部署の新人として入社した私の直上の上司に当たる方なのだが、
仕事柄もあるのだが、正直言って、仕事上のスキルを直接学んだ記憶はほとんどなく、
特に、所謂、社会人の常識的な言動と言われることに関しては、
その後一般的な会社に転職して生かされるものはほとんどなかった。
(例えば、電話の受け方とか、営業の仕方、とか)

むしろ覚えているのは、仕事外、あるいは仕事の延長線上としての夜の社交術で、
どこに行っても場の雰囲気をつかんで誰とでも親しくなって人気者になる術は素晴らしかった。
残念ながら、この学んだテクニックを仕事として生かす機会は激減してしまったけれど、
それはプライベートで多かれ少なかれ影響を受けているなと実感することはある。

そんな大人としての処世術を教えてくれた上司に開店祝いとして何かを贈りたいなと考えている。
インテリアにお酒に関する洒落た写真集や絵でもどうだろうと思うのだが、
外観も内装も何も知らないので、よく考えよう。これはこれで冬の愉しみとする。


そんなことに頭を悩ませながら、以前から興味のあった読書会なるものに参加する。
要は自分のおススメの本を参加者に紹介するという会なのだが、
読書を媒介とした異業種交流会という趣もあって、なかなか活気に満ちていて面白かった。

おススメ本として何を持参するかには迷いに迷った。
趣味の小説―――例えば、人が凌辱されたり、異生物に喰われたり、易々と命が失われたりする
シーンが満載なストーリの小説を紹介するのは、さすがに躊躇われた。

とはいえ、仕事柄、一般的なビジネス書のほとんどは私にとって時間の無駄でしかなく、
そんな本を読むなら洋書や文法書を読むか、もしくは単語の1つでも覚えたほうが遥に効果的なので、
紹介されるならまだしも、少なくとも自ら紹介するのだけは避けておきたい。
そう考えて、趣味と実益が混在して読みやすい、村上春樹・柴田元幸著の『翻訳夜話』を紹介した。

自分の好きな本をいかに面白いものであるか、分かりやすい言葉で噛み砕いて話すのは、
なんとまあ難しいことなのかということをまざまざと実感。
文章で書きなぐった方がはるかに簡単だった。これは大いなる反省点。

本好きの本好きによる本好きのための空間は、なかなかに刺激的で、粋なものだった。
by worthy42 | 2009-11-03 22:17 | 一冊入魂(読書記録)
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